あなたはどう死にたい №32

平成21年12月19日

あなたはどう死にたい


 先日、NHKの「あなたはどう死にたい」という番組を見ました。例の爆笑問題の二人が死生学(っていう学問があるんですよね)を追究している東大教授・清水哲郎さんと、あなたはどう死にたいか、について語り合うという内容でした。

 冒頭、この質問に街頭の人たちの「笑って死にたい」とか「好きなことを一杯してから死にたい」とかという返答が紹介されていました。しかし、いくらそう願ってもそこに何の保証もない以上これほど当てにならない話はありませんが、では何故この質問ができるかと言えば、私たちにとっては常に死に対して怖れと不安があるからだと言えましょう。であれば、人間誰しもいずれは体験せざるを得ない死について考えておくことは決して無意味なことではないと思います。

 その点、私がこの話の中で共感を覚えたのは「死に方それは生き終わり方」という言葉でした。私がこの観音寺に来て三年、知ることになった幾つかの霊存在について改めて痛感したことは、人間生き終わり方がいかに大事か、そしてその生き終わり方がそのまま死に方になるということでした。怖い話ですが生き終わり方がうまくいかないと恨みや執念のために成仏できないということにさえなりかねないのです。
 
 冒頭で若い女子学生が「好きなことを一杯してから」と答えたのはまさにそのことを現わしていると思います。人間として生まれてきたら出来ても出来なくてもしたいことにチャレンジして「やるだけやった。悔いはない」と思って死ねたら、と思うのですね。もちろん、死に方に本来いい悪いはありません。病死も自死も事故死もみんな一つの死に方です。それによしあしを言うのは人間の勝手な思いに過ぎません。でも、出来れば好きなことを一杯して生に満足して死にたいというのが共通した願いということなのでしょうか。みなさんはどう死にたいですか。



世の中の生死の道に連れはなし
   たださびしくも 独死独来
            小林一茶~