対人関係・対霊関係 №22

平成21年8月17日


対人関係・対霊関係

 私は「人生は修行」と思います。人間として生まれてきた以上、人はすべて修行者だと思います。修行と言うと特別な人間がすることのように思われがちですが、人はすべて修行者、生きることが修行だと思うのです。

 その修行の一つが「対人関係」ではないでしょうか。一人深山幽谷に住むのであればまだしも社会生活にあっては私たちは人間関係を免れることはできません。そしてその対人関係によって私たちは多くのことを学び気づかされるのです。

 しかし同時に私たちは「対霊関係」をも持っているのではないかというのが私の思いです。霊的存在は目に見える存在ではありません。私たちは普段この霊的存在に対しては葬儀とか法要の時しか意識しませんが、意識するしないに関わらず私たちは霊的存在から多くの援助や通信を頂いているのではないでしょうか。

 私という一個の存在には私につながる無数の魂の連続があります。その無数の魂の連続によって私は今ここに生を得ているのです。そしてその無数の魂は私たちが己の天命を全うし幸せな人生を送ることができるよう応援してくれているのです。そのことに早く気付き、感謝の念でそれに応え、同時に私たちからも霊的存在に力を送ることこそ正しい対霊関係だと思うのです。

 仏教では私たちは六道、すなわち地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上を輪廻すると言いますが、その考えからすれば私たちは永遠の修行者です。肉体が滅んで終わりではありません。肉体の修行の次は魂としての修行があり、そしてまた肉体に生まれ変わっての修行があるのです。人間として存在しているときは対人関係が大切です。しかし私たちは同時に存在する対霊関係にも思いを致し亡き人たちとの対話を大切にいたしましょう。


自らを生かそうとするならば他とともに生きることである。他を生かさずして自らを生かすことはできない。山本有三~