気分の波紋 №73

平成23年2月18日

気分の波紋


   立春の夕べの空にかかる月 何だかそれで春が来たよう
   降りそそぐ光をあびて木々たちは 名のみの春に芽吹きを急ぐ

 上の二首は先日の拙詠ですが、二十四節季立春の今は名のみの春。まだ冬です。でも、夕べの空にかかる月や光の春に少しずつふくらみを感じさせる木の芽を見ると春が近づいている嬉しさを覚えます。春はまず気分からやってきますね。

 そんなことを考えていたら、先日の新聞に「伝わる気分の波紋」と題して心療内科医の海原純子さんが面白いことを書いていました(2月6日付毎日新聞)。

 そこで紹介されていたのはハーバード大教授のA・クリスタキス氏の研究結果なのですが、それによると、肥満の人は同じ傾向の人と関わりを持ち、喫煙者は友人や家族にも喫煙者が多く、さらに「幸せな気分の人は周りに幸せな気分の人が多く、気持ちが落ち込む人は似た人が周りに多かったり、関わりを持つ人が少ない」と発表しているのだそうです。

 我が国にも“似たもの同士”とか“類は友を呼ぶ”ということわざがありますが、まさにそれですね。海原さんはその研究結果から「気分や状況は人から人へ伝わる。池に石を投げると波紋が広がって行くように、自分の気分は、友人や家族に伝わり、そのまた友人にまで伝わるのである」と言います。
 
 これを読んで私は私が日常考え、皆さまに申し上げていることと同じ、と膝を打つ思いでした。私は若い人たちにいつも周囲に対して良い思いを出すこと、明るく肯定的に生きることをお願いしていますが、自らが良い想念を出すこと、明るく過ごすことが周囲に良い思いや明るい雰囲気を作り出して自分だけでなく周りの人達をも明るく元気にして行くのですね。皆さん、一緒にがんばりませうね。
  


   人を呪わば穴二つ
    人()むれば楽喜(ラッキー) 
         come(カム) come(カム)