№206 敬服「飛躍逸才」

敬服「飛躍逸才」
平成25年6月29日


         敬服「飛躍逸才」       
 
 「にししん」のロビーで開かれている「101歳の作品展」を拝見して来ました。これは今年百一歳になられた梶原スミさんの作品展です。花火、月見などの壁掛け、六地蔵、つるしもん、金魚、手毬龍、リースなど多くの手芸作品がありました。どれもみなご丹精の見事な作品。これをお作りになったということにまず敬服でした。
 
 上の表題の「飛躍逸才」は“百一歳”をもじって「元気よく活動する優れたお人」という意味ですが、誠にその通り、梶原さんは老いてますます(さか)んなお方です。観音様にもよくお参り下さいますが、時にはお一人で杖も持たずにお出でになります。階段は上がるのは大変だけれど手すりがあれば降りるのは平気、と階段から帰られることもあります。スゴイ!です。
 
 梶原さんがこんなにお元気の秘訣はなんでしょうか。人誰しもいつまでも元気を望みますが、これは望んで叶えられるものでもありません。まずは努力でしょうか。その点、梶原さんはまさにその努力の人と思います。そして好奇心。何にでも興味を持って意欲的に取り組む若々しい精神。これも梶原さんだと思います。
 
 梶原さんはお若い時から沢山のことに興味を持って取り組んでこられたと言います。手芸や編み物もその一つ。それらをずっと続けて来られたことが大きいと思います。手を使う仕事をしている人はボケないと言われますが、それに違いありません。手芸をずっと継続されてきたことは、いまのお元気のもとになっていると思います。
 
 そして、もう一つは観音様です。梶原さんはご旅行の前後に必ず観音様にお参り下さいますが、自分の一切を観音様にお任せするという信心は、安心感をもたらしてくれるに違いありません。信とは何か、と考えた時、梶原さんの南無の心ほど貴いものはないと思います。それは「観音様生きる」こと。それこそが安心立命でありましょう。
 
 梶原さんは毎日一杯だけお酒を召し上がるそうです。そのことを伺ってそのお姿が目に浮かびました。それは感謝のお姿です。日日の感謝こそ人生の祈りなのです。作品のあどけなく朗らかな表情の可愛い六地蔵こそ、いまの梶原スミさんでないでしょうか。



 



      寺にも可愛い無邪気な笑顔のお地蔵さんを
      頂きました。どうぞご覧になって下さい