一生懸命 №373

平成28年4月21日

一生懸命
  今日はお大師さんの日。西暦835年、今から1181年前の今日が空海さん、弘法大師様が亡くなった日です。そのご正忌を記念して下関界隈でもお大師さんの日が続けられています。今では随分少なくなってしまったようですが、以前はこの小月地区にもあちこちでお大師さんが祀られ、お菓子や旗あめがお接待されていたそうです。

 それを初めから意図していたかどうかは分かりませんが、以前、あちこちのお接待のところを子どもたちが回って歩くというのは四国遍路のミニ版になっているということを申し上げましたね。小中学生の皆さんにはお遍路に行ったことがある人は少ないと思いますが、四国遍路というのは四国4県の88か所の札所(お寺)を回って歩くのです。

 今ではバスや車で便利に回ることが出来ますが、その昔、バスも車もない時代には自分で歩くしかありませんでした。88か所の札所を訪ね歩くことは容易ではありません。今のようにきちんとした道もなかった時代です。海辺や山越えには大変な危険が伴なったことでありましょう。それでも人々が遍路したのはそれが修行であったからです。

 思えば私のお遍路も大変でした。私がお遍路をした年は四国でもこんな暑い年はないと言われるほど暑い真夏でした。目もくらむような暑さに加えて焼けたアスファルト道の熱が靴底を通して足に伝わり、その熱さに泣きたくなる思いをしたことは今でも忘れられません。「もう二度と来ないぞ」と何度思ったことでしょう。

 でも私は止めませんでした。そして40日かけて88か所を歩き通すことが出来ました。今思えば、それは私にとって本当に有難く貴重な体験でありました。一生懸命頑張ってよかったと思うのです。止めないでよかったと思うのです。あの時、一生懸命頑張ったことが今の自分の支えになってくれていると思うのです。

 そこで皆さんにお願いです。皆さんもきっと学校の勉強とか友だちあるいは家族のこと等で大変なことがあると思います。でもその大変な時、どうか一生懸命頑張って頂きたいのです。本当につらい時は休んでもいいんです。でも大変なことから逃げずに頑張って頂きたいのです。それが皆さんの人生をつくってくれるのですから。


             ひとつの事でもなかなか思うようにはならぬものです
             だからわたしはひとつのことを
             一生けんめいやっているのです   
                                 ~相田みつを~