平和を祈る日清観音
令和3年10月18日
1971年9月18日に日清食品のカップヌードルが発売されて今年50年と言います。その記念すべき今年、先日14日、日清食品下関工場の観音さまの25周年祭が行われました。前にも申し上げましたね。カップヌードルをつくられた安藤百福さんご夫妻は観音さまを深く信仰されて日清食品の全工場に観音さまを祀っているのです。
この下関工場にも正面入り口の左手に立派な観音堂があり、5年ごとに周年祭をしておられます。当観音寺はその観音さまの仲立ちをしたご縁で毎回その周年祭をさせて頂いておりますが、奇しくも今年カップヌードル発売50年という年に当観音寺が周年祭に携わることができましたのは誠に有難いご縁であります。
清秋涼風渡蒼天 秋風渡るこの佳き日
日清観音廿五年 二十五年の観音さまに
改想起食足世平 祈るは一つ食足世平
祈只管世界一円 世界が平和でありますように
上はその二十五年祭の香語です。五年前の二十年祭でもこの食足世平という言葉を申し上げたましたが、今私がさらに痛切に思っているのがこの「食足世平」なのです。この食足世平という言葉は安藤百福さんの言葉ですが、百福さんは「食のあり様が乱れた国は必ず衰退する」と言い、食足世平を信念とされました。「食品は平和産業です」とも言っておられます。
改めて考えてどうでしょうか。いま世界は平和の危機にあります。アフガニスタンはタリバンによって、ミャンマーは軍によって、香港は中国によって平和が失われています。アフガニスタンではいま多くの子どもが餓死していると言います。北朝鮮の食糧危機は以前から伝えられています。ミャンマーはどうなのでしょうか。
日本も例外ではありません。日本でも子どもの7人に一人が毎日の食事が満足に摂れない状態にあるのです。日清食品はいま「カップヌードルDO IT NOW」という活動を立ち上げて環境、防災、健康、社会をテーマとした課題に取り組んでいますが、これからも観音さまのお力を頂いて世界平和の実現に寄与して頂きたいと願ってやみません。
「食創為世」。生き物の根本である
「食」の創造をし、もって世の為に尽くす。
安藤百福