長寿を生きる №698

 長寿を生きる

令和4年9月25日

 ここ毎年、数千人もが増えている百歳ご長寿。人生百年時代という言葉に何の違和感もなくなりましたね。その言葉通り、私たちは百歳を生きなければならない時代になったのでありましょう。でもその時一番の問題が元気でいられるかどうかです。いくら長寿でも寝たきりでは嬉しくも楽しくもありませんね。

 その時必要なのが歳に応じた心構えだと思っていたら四国八十八ヵ所第一番の霊山寺さんが「人の世は山坂多い旅の道」と題して還暦から茶寿、皇寿になった時にお迎えがきたらこう言って追い返しなさいという面白い言葉を教えて下さいました。それをご紹介しましょう。先ず還暦(60)は「とんでもないよと追い返せ」

 古希(70)は「まだまだ早いと突っ放せ」、喜寿(77)せくな老楽これからよ、傘寿(80)何のまだまだ役に立つ、米寿(88)もう少しお米を食べてから、卒寿(90)齢に卒業(そつぎょ)はないはずよ、白寿(99)百歳のお祝い済むまでは、茶寿(108)まだまだお茶が飲み足らん、皇寿(111)そろそろ譲ろか日本一。なかなか、ですね。

 では、どうしたら上のように元気でいられるか。霊山寺さんがもう一つ、京都大徳寺の尾関宗園さん作という「老人健康長寿十則」というのを下さいました。ご紹介しましょう。曰く「少肉多菜・少塩多酢・少糖多果・少食多咀・少煩多眠・少怒多笑・少言多行・少欲多施・少衣多浴・少車多歩」という十則です。

 上の意味は読んで字の如しながらいくつか私なりに申し上げましょう。まず「少肉」。これは食べ過ぎるなだと思います。その肉も鶏・魚肉の方がよいそうですね。大豆ミートなら「多菜」にもなりますね。「多咀」の「咀」は「咀嚼」です。よく噛むことは胃のためだけでなく脳の働きをよくすると言われています。


 「多施」とは布施です。物でも金でも欲張らず余分があれば施しをしなさいということです。これも大切なことですね。考えると、これらはお釈迦さまが言う「少欲知足」に行きつくように思います。欲少なく足るを知る。怒りを忘れて笑って過ごす。それが結論。そしてそれが長寿を生きる秘訣なのでありましょう。



笑う門には福来る


沖縄はウクライナだ! №697

 沖縄はウクライナだ!

令和4年9月17日

 任期満了に伴う沖縄知事選で米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する現職の玉城デニー知事が339767票を獲得して再選を果たしました。自公が推した佐喜真候補との差、64923票は保守系の下地氏の投票数を加えても及ばない圧勝になりました。沖縄県民の辺野古移設反対の心が如何に強いかということでありましょう。

 今回の玉城知事の再選で沖縄は2014年の翁長雄志知事以来、連続3回普天間飛行場の辺野古移設反対を明らかにしました。しかしこの間、日本政府は辺野古移設しかないと繰りすだけで沖縄県民の願いを無視し続けています。それどころか政府はこれまで3000億円台であった沖縄振興予算を今年度は2684億円に減額という卑劣なことをしているのです。

 民意無視に加えて予算減額までして国に屈服を迫る自公政治は政治と言えるでしょうか。玉城知事は今回の結果について「辺野古への移設は反対だという県民の民意は変わっていないことの証明だ」と言いましたが、岸田首相が「人の話を聞く」というならば今度こそ沖縄の人の話を聞くべきでありましょう。

 翁長知事以来これまで8年に及ぶ辺野古移設闘争を思うと、これは戦争だという思いを拭い切れません。政権という権力者と沖縄県民の戦争の他なりません。その構図はまさに今その只中のロシアとウクライナの戦争そのものと言えるのではないでしょうか。沖縄が置かれている状況はウクライナの状況と瓜二つとしか思えません。

 ロシアはナチからの解放というありもしない理由を言い分にしてウクライナに武力侵攻しました。しかし、真意はウクライナを自国の領土にしたいというだけでありましょう。そこには一片の正義もありません。欲むき出しの覇権主義があるばかりです。その悪魔同然のプーチンのためにウクライナでは兵士ばかりか多くの市民が殺されているのです。


 私はロシアのプーチン同様、日本政府は独りよがりの頑なな態度で沖縄の民意を殺し続けていると思います。日本政府がロシアを非難しウクライナを応援するならば沖縄に対しても民意に沿った政策に変更すべきでありましょう。態度の矛盾を一刻も早く是正すべきです。本当の世界平和を目指すべきではないでしょうか。


がんばれオキナワ!

がんばれウクライナ!



地方回帰のすすめ №696

 地方回帰のすすめ

令和4年9月16日

 ロシアがウクライナに武力侵攻して半年が過ぎました。しかし、いまだ停戦の見通しも立っていません。双方の戦死者は増えるばかり。ウクライナでは兵士ばかりか五千人以上もの民間人が犠牲になっていると言います。なぜプーチンはこの戦争を止めようとしないのか。不毛どころではない非道な殺人戦争をなぜ止めないのか。怒りに堪えません。

 いまやこの戦争は二国間だけの問題ではなくなりました。いまは僅かながら再開されましたがロシアがウクライナの農産物の輸出を妨害したため多くの国が食糧不足に陥っています。アフリカ諸国のうちには深刻な食糧難で子どもたちが餓死するまでなっていると言います。これがジェノサイド(集団殺戮)でなくて何でありましょう。 

 上の食糧問題は日本も例外ではありません。おまけに日本はいま空前の円安で輸入食品は値上がりするばかり。「悪い物価上昇」と言いながら何の手も打たない無策日銀のために庶民は物価上昇に喘ぐばかり。私たちはいま、ロシアによる平和危機と食糧危機、そして円安による物価の上昇という三重苦にあると言えましょう。

 この状況にあって私が望むことは日本が農業力を再び取り戻すことです。そのためには若い人が農業を目指して地方に回帰してくれなくてはなりません。農業で生活が成り立つように国が支援しなければなりません。容易ではなくてもそれをしなければ食糧不足の不安を解消することはできないのです。いましなくてどうするなのです。

 私は上の問題解決のカギの一つに外国人労働者があると思います。いま日本には技能実習生の名目で沢山の若い外国人が来ていますが、その中にはその名目に反して不法な扱いを受けている人たちがいます。技能実習生を低賃金労働者としか見ないブラック企業ではなく日本の農業を学んで日本の農業者になってくれたら一石二鳥ではないでしょうか。


 農業人口が減少し農業そのものが衰退している今国は日本の農業の復活を図るべきです。猶予はありません。異常気象による食糧生産の危機も迫っている今、これからの農業をどうするのかも大きな課題です。人的災害と気象災害による食料供給不安から脱出するためにいま、いますぐに農業復活を図らなければならないのです。


「いつやるか?今でしょ!」

          林 修

温暖化防止のために №695

 温暖化防止のために

令和4年9月9日

 たより前々号(№692)で小6になる孫の晴君が家族を前に「自分たちの将来を考えた時一番心配なのは地球温暖化だからそれを防ぐ法律をつくりたい。戦争なんかやってる場合じゃない」と言ったことを紹介しましたら何人かの方から孫へのお褒めの言葉を頂きました。代わって有難く御礼申し上げます。

 M さんは「お孫さん素晴らしいです。地球温暖化は世界が取り組まなければ地球はなくなってしまいます。本当に戦争なんかやってる場合じゃないです」とメールを下さいました。また神奈川のAさんは「驚きました。何という立派な発言。その通りです。頼もしい。嬉しい。6年生の時の私はボーっとしてました」と伝えて下さいました。

 皆さまからのお褒めの言葉を読みながら改めて思いました。それは、子どもたちは私たち以上に温暖化を切実な問題として捉えているのではないかということ。そしてその子どもたちの危機感は時代を予知してではないかと思ったのです。詩人が時代を先取りするように近未来の恐怖を予見しているのではないかと思ったのです。

 温暖化の恐怖を現実にしないためにはMさんがおっしゃる通り、全世界がこの問題に取り組まなければなりません。では私たち一人ひとりは何をすべきか。SDGs(持続可能な開発目標)17の項目の中の13番目に「気候変動」がありますが、今回はそれに関連して私たちができる行動についてご紹介したいと思います。

 先ず家の中でできる活動は1、資源ごみをリサイクルできるよう正しく分別する2、食材を買い過ぎず作り過ぎない3、電気や水の消費量を減らす、です。端的にいえば食糧やエネルギーを節約して無駄をつくらないということですね。これらは皆さまも思い当たるのではないでしょうか。温暖化防止の第一歩は身近なところからです。


 次に家の外でできる活動です。1、エコバッグ、マイボトルを持ち歩く、2、買い物は地元の商店と地元産を優先する、3、プラスチック原料ではなく自然由来の商品を買う4、国際フェアトレード認証の商品を購入する5、寄付する、です。皆さん如何ですか。どうぞできることからお始め下さい。それがあなた自身を救うことになるのです。


いま森林火災や人為的破壊で失われている森林面積は

1分間で東京ドーム2,4個分と言います。怖い怖い!