まだらマンダラ修行の菩薩
清らかに澄む/にしきの秋に
あか黄くれない/輝くもみじ
億千万の菩薩なり/無量寿光の世界なり
上は先日17日、秋法要の時の法語です。その折にこの法語についてちょっとお話ししましたが17日はイチョウももみじもちょうど見頃でした。上々のお天気の中で美しい黄葉を見上げて楽しんで下さった方も多かったと思います。
実は私もその一人です。黄葉したイチョウや真っ赤になったもみじを見ていたらそれがマンダラに見えてきたのです。イチョウの黄葉にも濃淡があります。真っ黄色になったところ、これからそうなるところ、まだ緑がかったところとまさにまだら模様なっている姿がマンダラそのもの、阿弥陀の世界に思えたのです。
マンダラとは諸仏諸菩薩の世界です。三千世界にお出でになる仏様の世界を表したものがマンダラです。その思いで黄葉したイチョウを見るとその葉一枚一枚が三千世界の仏様、そしてイチョウの木全体がマンダラの世界を表していると思えたのです。
マンダラは仏の世界を表したものですが、私たち人間、そして人間世界もマンダラにほかなりません。私たち人間はこの地球上それぞれの場所でそれぞれの立場を持ちそれぞれの考えで暮らしています。時には笑い時には泣き時には喜び時には悲しみながらそれぞれの人生を送っています。まさにマンダラそのものです。
イチョウの黄葉一枚一枚が菩薩であるように人間界に生きる私たち一人一人もまた菩薩です。マンダラそのものの人生とは菩薩としてそれぞれの修行をするということではないでしょうか。私たちはみな修行者なのです。
うらを見せ、おもてを見せて
散るもみぢ
~良寛~