気づいたら、やろう! №580


気づいたら、やろう!
令和2年3月24日


 3月と言えば卒業式。が、今年はコロナ肺炎騒ぎで式そのものが中止されたり、在校生がいなかったりという雰囲気を欠くものになった学校が多かったようですね。コロナウイルスの蔓延を防ぐためには仕方なかったことかも知れませんが当の卒業生にとっては実感のない卒業になったことでありましょう。

 でも卒業は卒業。㋃から働く人も進学をする人も新たな希望を持って就職進学をして頂きたいと願ってやみません。で、その方々にお願いしたいことがあります。それが表題の「気づいたら、やろう!」です。先月(2.22)の毎日新聞に同新聞の編集委員元村有希子さんが「窓をあけて」というコラムである若者の話を書かれていました。その話をご紹介したいと思います。

 元村さんがブラジルの元環境相マリナ・シルバさんの講演を聴かれた時のこと。そのシルバさんがスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんを引き合いに出して「若者や子どもが環境活動を展開しているのを見て私たち大人は感動を覚えると同時に恥だと思わなければなりません。子どもは私たち大人が守るべき存在なのに」と言われたのだそうです。

 恥ずかしながら私は全く知りませんでしたが、シルバさんはアマゾンの森で育ち、17歳から森林破壊への抵抗運動に関わってきた女性だそうです。で、元村さんが紹介されているのは同じくこのシルバさんの話を聴いていた酒井功雄さんという高校3年生。酒井さんは一年前から金曜日に学校を休んで地球温暖化防止のデモに参加しているのだそうです。

 酒井さんが行動する若者になったのは2年前の米国留学だったそうです。その留学で酒井さんは温暖化で解けた永久凍土からメタンが放出され、さらに温暖化が進むという悪循環にあることを知ってショックを受けたと言います。デモへの参加を酒井さんは「気づいてしまった者の責任です」と言うのだそうです。
 
 このたより前号でも申し上げましたが地球温暖化の問題は地球上のすべての国が取り組まなければならない問題です。地球が人間にとってどんな地球になるかは私たち、取り分け若い方々にかかっています。若い方々がこの問題に気づき地球温暖化防止のために行動を起こしてくれること。それを切望して止みません。



「知ってせず」
 「知ってする」
     どっちかな

どうなる地球人類 №579


どうなる地球人類
令和2年3月12日


 新型コロナウイルス感染が収まる気配を見せていません。日本の感染者は311日現在で566人、死者は12人です。感染者はクルーズ船の乗船者(696人)とチャーター機帰国者(14人)を加えると1276人ですが、国内感染者に限って直近の4日間(3/811)を見ると446479507566と毎日確実に増えているのです。

 この状況で思い起こすのは今から100年ほど前、191819年にかけて世界的大流行したインフルエンザ、通称スペイン風邪です。19183月、アメリカのカンザス州に始まったこのインフルエンザは翌年春まで3度の流行を繰り返し、インドで1250万人、アメリカで55万人、日本で39万人など世界合わせて2500万人もの人が亡くなっています。

 今回のコロナウイルス肺炎がスペイン風邪と同じようなパンデミックになるかどうかは分かりません。でもその恐れはあります。WHOのテドロス事務局長は39日、ジュネーブでの記者会見でパンデミックになる可能性について「脅威はかなり現実味を増した」との認識を示したそうですが現状を思えば誰しも頷くことでありましょう。

 いま私たちはこの危機にどう対応すべきでしょうか。第一に言えることはこの肺炎は人類への警鐘として起きているのではないかということです。この肺炎の前には核爆弾も覇権誇示も無力です。肺炎を収束させることができるかどうかは世界各国が情報を交換し合い有効な治療法を見つけることです。そのためには世界各国が協力協調しなければなりません。

 このことは地球温暖化の問題と全く同じです。地球温暖化を食い止めるためには世界各国が一致して温暖化防止に有効な対策を取らなければなりません。途上国だ先進国だと言って責任のなすりつけをしている時ではないのです。新型コロナウイルス肺炎の問題は地球温暖化の問題と同じです。地球人類の問題なのです。

 そう考えると私は些か暗い気持ちにならざるを得ません。いま世界の指導者は自国ファースト自分ファーストばかりです。私が期待するのは若い人、若い力です。今回の肺炎の問題にどのくらい関わって貰えるかは分かりませんが地球人類の問題に若い人が力を発揮してくれる日が来ることを切望して止みません。



    禍を転じて福と為す
          <戦国策>