パラオの国旗 №271

パラオの国旗 №271
平成26年6月20日



 パラオの国旗
 
 皆さん、パラオの国旗ってご存知ですか。パラオの国旗ってデザインが日の丸にそっくりなんです。ただ、色が違います。日の丸の白地のところが明るい青、日の丸のところはきれいな黄色です。この黄色の丸は真ん中ではなくちょっとだけ旗竿の方に寄っています。これは旗が風に翻った時に丸が中心に見えるようにということだそうです。
 
 ところで、何でまたパラオの国旗かと申しますのは、私にとってパラオの国旗は梅雨時の月のイメージなのです。パラオの国旗の真っ青な背景は太平洋を、そして黄色の丸は月を表わしているということですが、この月はもう絶対、梅雨時の晴れ間に上った美しい満月に違いないと思っているのです。独りよがりの確信なのです。
 
 月見と言えば、まず芋名月と言われる仲秋の名月、栗名月と言われる九月十三夜の月、寒月と呼ばれる冬の月、朧にかすんだ春の月、ということなのでしょうが、私は梅雨の晴れ間に浮かんだ月には、これらの季節にはない得も言われぬ雰囲気があると思うのです。梅雨時の月は滅多に見られないから一層なのでしょうか。感動の月なのです。
 
 そして、その月こそパラオの国旗の月だと思うのです。パラオの国旗の青は太平洋即ち平和を、そして月は静寂を象徴していると言います。それがパラオの国の人たちの願いなのです。私たち仏教徒にとっても、朗らかな夜の青空に浮かぶ澄んだ月は悟りの象徴ですが、まさにパラオの国旗は仏教が目指す平和と静寂を表わしていると言えるでありましょう。
 
 私が何故にパラオの国旗に思いを新たにしているかと申しますのは、いま世界があまりにも平和とは遠い状態にあるからです。内戦状態が続いたままのシリアを初め、イラク、ウクライナ、中国等々、国同士、民族同士の争いが止みません。そして、日本も決して安心な状態ではありません。憲法九条が危機に瀕していることは皆さまご存知の通りです。
 
 仏教が目指すものは平和です。一人ひとりの平和、国の平和、世界の平和、生きとし生けるものの平和、です。この平和を実現するのは私たち一人一人の平和の祈りです。一人ひとりの平和の祈りがみんなの祈りになり世界の人々の祈りになった時、世界の平和が達成されるのです。皆さま、平和の祈りを続けて下さい。 

 

       涅槃の岸に() 
       桂輪(けいりん)孤り碧天(へきてん)に朗らかに  
       普(あまね)く世間を導いて
       同じく(かく)()に登らんことを   
                <供養回向>