宗教とは?(星祭りに寄せて) №29

平成21年11月19日

宗教とは?(星祭りに寄せて)


 来月12月から本堂での星祭りお申し込み受付けを始めます。お世話人様を通じてのお申し込みもどうぞよろしくお願い致します。ところで、今日は宗教とは何かという大問題を星祭りに関連して考えてみたいと思います。

 みなさんは宗教って何だとお考えでしょうか。よく言われるのは「宗教は弱い人間がすがるものだ。強い人間には必要ない」という考えですね。確かに新興宗教の中には病気の人や困っている人を布教のターゲットにしてきたものもありますからそう思われても仕方ない一面があります。しかし、私はそれは孫悟空、つまりはお釈迦様の手の中で動き回っていたという孫悟空の思い上がりと同じだと思うのです。

 私は宗教の価値は「人間とは何か」を突き詰めることにあると思います。何時だったかも申し上げましたが、私たちは自分の意志と力で生きていると思いながら決してそうではありません。自分が自分の力で生きていると思うのは孫悟空と同じ思い上がりに過ぎません。自分の生死一つ思いのままにはなりませんね。死にたくなくても死なねばならないこともあるし死にたくたって死ねないこともあるのです。
 
 人間とは何かを考えていくと、私たちは結局「生かされている存在」であると思わざるを得ません。そのとき私たちは私たちを生かしている不思議で大いなる存在に感謝を覚え、その大いなる存在に同化したいという祈りの気持ちを持つのではないでしょうか。
 
 私は宗教の本質は祈りにあると思います。私たちを生かしている宇宙仏、自然、同胞、あらゆる生物等に感謝の祈りを持つことこそが人生ではないかと思います。そしてそれを自覚するのが星祭りだと思うのです。星祭りは生かされていることに感謝しこの人生を有難く全うしたいという決意を新たにする大切な行事だと思います。
 


この生死は、すなはち佛の御いのちなり
 正法眼蔵生死~