遍路は続くよどこまでも №28

平成21年11月18日

遍路は続くよどこまでも


先月末、高林寺様主催のお遍路歩き体験に行ってきました。今回は第一番霊山寺から第十一番藤井寺までを一日半で歩く計画でした。上は75歳の方から下は6歳と7歳の男の子まで総勢二十名、みなさんご自分の体力に合わせてよく歩かれました。全行程を歩き通された方は丁度半数でしたが、途中バスに乗られた方も自分の力精一杯頑張って歩かれたことで満足感、達成感を味わって頂いたようでした。


反面、駄目だったのが私ではなかったでしょうか。今回のコースは起伏が少なく遍路道としては最も安全安心な道です、と言っていた自分が日頃の運動不足で予期せぬ辛さを味わうことになりました。でも、やっぱり歩くのはいいですね。今回へぇーっと思ったのは道筋柿畑が多く至るところたわわに実をつけていたことでした。お遍路は季節季節で目にするものが違いますが徳島が柿の名産地であることは新発見でした。

お遍路はバス、車、自転車、バイクなど様々な手段がありますが各々一長一短、どれが良いとか悪いとかはありません。ただ歩き遍路のよいことの一つは歩く速度であたりを見るということでしょう。人間の印象や記憶は速度に反比例するとは言えないでしょうか。飛行機や新幹線でアッという間に過ぎてしまった景色は殆ど印象に残りませんが歩きながら見た景色は深く記憶に残ります。私が今回柿畑に感銘したのもそのためなのでしょう。
 

 お遍路二日目、私は歩きながらふと「線路は続くよどこまでも」の歌を思い出しました。お遍路は自分の人生の縮図をみると言われます。確かに天気にしても体調にしても「これが己れの人生か」と思わせられることがあるんですよね。でもどんな人生であれ歩むのは自分以外にはありません。近かろうが遠かろうが辛かろうが楽しかろうが倦まず弛まず歩くしかありません。人生は遍路、遍路は人生なんですねー。



人の一生は重き荷を負うて遠き道を行くが如し。
急ぐべからず。徳川家康~

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