アサギマダラ異変 №509

アサギマダラ異変
平成30年10月18日

この数年、ちょうどこの時期には寺を訪れてくれるアサギマダラのご報告を申し上げるのが常でありました。しかし、今年はそのご報告どころか、寺にはいまだ一頭ものアサギマダラも姿を見せていません。今日1018日、例年なら今頃が一番飛来数の多い時ですが、その今ゼロというのはやはり“異変”としか言いようがありません。

 理由は分かっています。アサギマダラが目当てに来るフジバカマが咲いていないのです。「それじゃ当たり前だろ」と言われれば誠にその通り。いま寺のフジバカマの花は申し訳ばかりに過ぎません。花が咲いていなければアサギマダラが来ないのは当たり前。申し訳ばかりの花に期待するのは甘いというより愚かと言うべきかも知れません。

 では、寺のフジバカマは何故咲かなかったのか、です。7月に茎の下の方の葉が枯れているのを見て「水不足か」と以後は毎日水やりに努めました。しかし、その後勢いが回復することはありませんでした。枯れこそしませんでしたが紅色の花のツボミを見せるまでには至らず、猛暑を過ぎた9月になっても状態は同じでした。

 私は花が咲かなかった原因は猛暑に違いないと思いました。年々厳しさを増す夏の暑さ、別けて今年の猛暑にさすがのフジバカマも参ったに違いないと思ったのです。異常気象が災害をもたらすばかりか身近な植物にまで影響を与え始めたと思ったのです。しかし、原因は猛暑ではありませんでした。病気だったのです。

 それは「リフレッシュパーク豊浦」に行って分かりました。この「リフレッシュパーク豊浦」はアサギマダラが訪れるところとして全国的にも有名ですが、そこで話を伺って分かったことがフジバカマは同じ場所で数年すると「白絹病」という病気になり易いということでした。症状を伺うとまさに寺のフジバカマと同じでした。

 かくしてアサギマダラ異変は一件落着。異常気象が直接原因ではないことが分かりました。でも、申し上げておきたいことは異常気象の恐怖がなくなったという訳ではないことです。異常気象が年々激しさを増していることは間違いありません。その影響はいずれ人間にまで及ぶことは必至なのです。ご用心ご用心。


 

花咲カザレバ 蝶見エズ
蝶見エザレバ 花見エズ


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