地球温暖化考 №692

 地球温暖化考

令和4年8月8日

    桑の葉の照るに堪へゆく帰省かな    秋櫻子

 上は水原秋櫻子の第一句集「葛飾」に納められている句です。夏の日差しが容赦なく照りつける桑畑の道を久しぶりに帰省する様子が目に浮かびますすね。句集「葛飾」が出版されたのは1930(昭和5)年でした。

 夏の帰省はお盆に合わせることが多かったと思いますのでこの句が詠まれたのも8月でありましょう。このごろはあまり聞かれなくなりましたが、夏の日差しを「かんかん照り」と言いましたね。上の句はまさにこのかんかん照りを詠んでいると思います。句集「葛飾」が出された昭和5年の東京の8月の平均気温は30.6℃だったそうです。

 では昔も今も暑さは変わらないのか。そう思ってこの100年余りの東京の8月の平均気温を調べてみました。そうしましたら18751925年の50年間で平均気温が30℃以下だった年は29年ありましたが、19772021年までの50年間では30℃以下は僅か6年に激減していました。特に最近の4,5年は気温そのものが高くなってきていることが分かりました。

 上の通り、ここ50年の真夏日の増加だけを見ても地球温暖化が確実に進んでいるということでありましょう。気象庁は気温の上昇に伴って熱帯夜や猛暑日が増え、冬日(最低気温が0℃未満の日)が少なくなっている一方、一日の雨量が100ミリ以上という大雨の日数が増える傾向にあると言います。間違いなく地球温暖化のためでありましょう。

 今年の梅雨明けは全国的に早い梅雨明けになりました。ということは雨がいつも通りに降らなかったということであり、このために全国各地のダムで貯水量が減り取水制限をしなければならない所がありました。地球温暖化は世界が取り組まなければならない問題です。しかし、世界もこの日本もどれだけこの問題に必死になっているでしょうか。


 またまた爺ばかになって恐縮ですが、先日小6になる孫(晴くん)が家族を前に「環境問題は自分たちの将来を考えると最も重要なことだから真剣に取り組みたい。戦争なんかやってる場合じゃない」と言ったそうです。私はその若い人若い力に期待して止みません。それなくして地球の未来はないのです。



グレタ・トゥーンベリさんに続け!



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