花は佛 №14

平成21年4月8日 

花は佛


 先日、ふと「花は佛」という言葉を思いつきました。花の季節、そして今日の花祭りに因んでそのお話をいたしましょう。

 先達て3月の観音様の会の時、「艸(くさ)が化ける」と書いて「花」という字になると申し上げましたね。事実、花は葉が変化したものなのですから花という文字は真実をよく捉えていると思います。信じられない気もしますが、花は葉が変容(メタモルフォーゼ)した結果なのです。

 そうして花を見ますと、私は改めて花に不思議さを覚えずにはいられません。それぞれの花がそれぞれの形、色、大きさを持ち一つとして同じものはありません。桜の花はどうしてあのきれいなサクラ色を作れるのでしょう。チューリップはどうしてあんなに鮮やかな赤や黄を出せるのでしょう。ユリはどうしてあのような形を作れるのでしょう。造化の妙という言葉がありますが、まさに花は宇宙の体現、花即ち宇宙という気がします。

 私たちはお仏壇に花を飾ります。仏様へのお供えですから供花(くげ)と言います。でも、ちょっと考えておかしいと思うことはありませんか。佛様へのお供えならば佛様の方に向けて飾るべきではありませんか。どうして見る人に向けて花を飾るのでしょう。もうお分かりと思います。そうなんです。「花は佛」なのです。花そのものが佛様なのですね。それで見る人に向けて飾るのです。私たちが花に癒されるのは花が佛様だからなんですね。

海外難民救援募金御礼
 先日、お願いいたしました毎日新聞西部社会事業団の海外難民救援募金へのご協力有難うございました。総額8233円になりました。厚く御礼申し上げます。寺分と合わせて送金いたしましたのでご報告申し上げます。




桃は紅、李は白、薔薇は紫。春風に問着すれどもすべて知らず と。<碧巌録>

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