紅葉異変 №352


紅葉異変
平成27年12月10日 

 今年、皆さんのお家や周辺の紅葉は如何だったでしょうか。当観音寺のイチョウの黄葉はいまいち、というより“変”でした。いつものように木全体が真っ黄色に色づいてから散るのではなく、まだ緑の葉を持った枝がある一方で葉が散りだしたのです。思いなしか黄葉も色が薄く葉も小さいように見えました。

 この紅葉の異変は、この秋日本のあちこちで見られたようです。ウェザーニュースによると、今年の紅葉に「とても鮮やか・鮮やか」と感じた人は46%で、昨年の63%を下回り、いまいちと感じた人が13%あったと言います。紅葉異変は四国・九州と中国を含めた西日本で多く、葉の色や大きさにも問題が見られたと言うのです。

 確かに私が毎年拝見している長門の大寧寺さんの紅葉も今年は時期が早かったうえに見劣りがしました。例年見頃の勤労感謝の日前後には今年も多くの方がお出ででしたが、その方々も残念な思いだったでありましょう。昨年私が隠れた名所と申し上げた西念寺さんも同じでした。いつもの見事さは全くありませんでした。

 今年のこの紅葉異変は、エルニーニョ現象による温暖化が原因ではないかと推測されています。東日本、西日本では11月の平均気温が2℃前後高かったそうで、各地でツツジやサクラの狂い咲きやツクシが出てきたという異変が起きました。となれば、寒暖の差が決め手の紅葉が影響を受けたのは当然でありましょう。

 と考えると、地球温暖化の影響が、ついにここまで来たということに恐ろしさを感じない訳にはいきません。これから先、人類の生存を脅かすような恐ろしい異変が現われないとは言い切れません。紅葉どころではなく地球環境そのものが、やがて生物の生存不可能な状態になってしまうかも知れないのです。

 これが杞憂であればよいのですが、現状に気象異変を楽観視できるデータはありません。温暖化は確実に進行しており、いま起きている気象の様々な異変は大変な状況の予兆と考えるべきなのでありましょう。宇宙船地球号の言葉通り、人間は地球を離れて生きることは出来ません。いま私たちは何をすべきなのでしょうか。
 


  油断より外に現われる敵もなし
               古川柳

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