平和を祈る №356

平成28年1月1日

平和を祈る


 日本も 世界もともに 幸あれと かんのんさまに 祈るこの朝

 たより前号で戦後70年の昨年が、本当に平和への決意の年になったかと疑問を呈しました。戦後70年という時、それは次の70年に向けての平和が意識されなければなりません。そのことを思うと、私はそれに大きな疑問を感じざるを得ないのです。

 つい先達て、12月初めに亡くなった野坂昭如さんは、その死の直前まで戦争の悲惨と平和の大切さを訴え、日本の行く末を案じられておりました。私たちはその野坂さんの遺志を継いで平和を守る意識を新たにし平和の祈りを続けなければなりません。それこそが戦後71年目の私たちの課題であり責務だと思うのです。

 しかし、私は日本の現状に一抹の不安を覚えざるを得ません。それはいま日本がファシズム化しているのではないかという疑念です。安保法案が通ったのも採決での一党独裁が可能だったからです。今後なおそれが進めば日本がファシズム化することは避けられません。そして不安のもう一つはいま私たちがそれを許しつつあるのではないかと言うことです。

 そう思うと、私は改めて民主主義とは何かと自問せざるを得ません。本当の民主主義は、私たち一人ひとりが市民意識を持って政治に参加するということではないでしょうか。それは日本の現在そして未来に自らが責任を持つということです。私たち一人ひとりの意志と行為の結果が孫子の代に影響することを自覚するということです。

 日本の現状はその点においての自覚が欠如しているのではないでしょうか。安保法案しかり原発再稼働しかりです。その決定の責任が個人に返ってくることを考えたならば安易な決定が出来る筈はありません。それなのに原発が次々に再稼働されるのは、万一の時の責任を組織に委ねて自らの責任を思わないからに他なりません。

 私たちはいま自らの責任を自覚すべきです。日本の将来も平和の維持も誰かが決めるのではありません。私たち一人一人の意志と行為がそれを決めるのです。将来に対して、そして平和に対して責任を持たなければならないのは私たち自身なのです。戦後71年目の年頭、私はそれを皆さんにお願いして止みません。


  またこの言葉
   平和をあなたにもたらすことができるのは
   あなただけだ。    
                ~エマソン~

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