お大師さん二題 №375

平成28年5月10日

お大師さん二題


 先月421日、「お大師さんの日」を致しました。当日は一日、本振りの雨でしたが、それにもめげず沢山の小中学生がお詣りに来てくれました。お大師さんの力ってすごいと思いましたが、今日はそのお大師さんにまつわるお話を二つ申し上げたいと思います。一つは「うーん」という話、もう一つは皆さまにご協力を頂きたい話です。

 まず、その一です。お詣りの小中学生はそのほとんどがお賽銭10円を上げてくれます。今年もその数が100ほどありました。その他の金種と合わせるとお賽銭の硬貨は百数十、それだけの人がお詣り下さったということでありましょう。雨の日にも拘わらず、ですから、これはやはりお大師さんの力ですね。

 で、お話はそのお賽銭のことです。お賽銭の中に一つ、大きさ500円玉程のゲーム機のコインがあったのです。それをみて「うーん」でした。誰が入れたかはむろん分かりません。しかし、入れた人はそれがゲーム機のコインであることは分かっていただろうと思います。としたら、それは意識的に使われたということになります。

 お金ではないことを知っていてお賽銭としたとすれば、それは仏さまを欺くことにしかなりません。いや、それより怖いのはそれが自分を欺く行為だということです。人をだますより自分をだますことの方が恐ろしいのは言うまでもありません。事実を曲げることは出来ないのです。悲しく残念な思いを禁じ得ませんでした。

 お話二つ目は、この観音寺に大師堂を作ろうという話です。この下関界隈は昔からお大師さん信仰の厚いところで、この小月にもお大師さんをお祀りする家や大師講が多くありましたが、いまその家や講が急激に減少しつつあります。もちろんその理由は高齢化ですが、意義ある地域の行事が失われて行くことは残念という他ありません。
 
 そこで、今回ご要望もあって検討の結果、境内に小さな大師堂を作り、この観音寺で「お大師さんの日」を継続していこうということになりました。この実現のためには皆さまのご協力を頂かなければなりません。どうぞ皆さま、小さなことながら地域の文化の継承のためにお力をよろしくお願い申し上げます。


    力を送ること、そして同時に力を頂くこと。
    それが供養、祀りです。
    南無大師金剛遍照。






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