お蔭さま №594

お蔭さま

令和2年7月8日

 

 お蔭さまって言葉よく使いますよね。「お蔭様で無事に過ごしております」とか「お蔭様で順調に仕上がりました」とか皆さんもよく口にしていると思います。でもこの「お蔭」ってどういう意味か考えたことおありですか。「お蔭さま」は「お蔭」でも同じですが何ゆえに「さま」が付いているのかお考えになったことありますか。

 辞典を見るとどの辞典にも「お蔭」には二つの意味が書かれています。一番明快な「明鏡国語辞典」には①神仏の加護、②人から受けた恩恵。またある物事などによる結果、とあり、②の用例として「あなたの―で助かった」「渋滞の―で遅刻した」などが挙げられています。①については用例がありませんが、「新明解国語辞典」には「―をこうむる」がありました。

 改めて思いますと私たちはいつも毎日、神仏のお蔭、自然のお蔭、人のお蔭という有難いお蔭を頂いて生きています。有難いからこそ「お蔭さま」なのです。私たちは普段この有難さをあまり意識しませんが、私たちが生きているのは神仏と自然のお蔭、父母祖父母、兄弟姉妹、友人知人など有縁無縁の人々のお蔭なのです。

      梅雨連日湿林叢     雨が大地に降りそそぎ

      草木悉皆浴天功     草木が恵み頂くは

      年年歳歳無別事     くる年毎年変わりなく

      一年一生在其中     人間一生また同じ

 入梅からおよそ一か月の雨の時期を梅雨と言いますが、この梅雨が作物にとって大切な雨であることは申し上げるまでもありません。日本が弥生時代の昔から「豊葦原の瑞穂の国」になり得たのは梅雨という自然のお蔭があったからです。梅雨のお蔭で稲などの作物が育ち農耕社会日本が成り立ったのです。

 このように考えてくるとお蔭はそのお蔭をもたらしてくれる気候、海山川などの自然、トリムシケモノたち、これらがあってこそなのです。そしてそのお蔭を私たち人間が頂いているのです。自然の恵みを頂く一日一年が私たちの一生になっているのです。私たちの一生は神仏のお加護、自然の恵みというお蔭さまの一生なのです。


太陽さん有難う! 雨さん有難う! 

 海さん有難う! 川さん有難う!

  山さん有難う! 皆さん有難う!

 

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