涅槃会の日に
令和3年2月15日
今日2月15日は涅槃会。お釈迦さまが亡くなった日です。お釈迦さまは29歳の時、住んでいたカピラ城を出て修行生活に入られ35歳の時悟りを得られました。以来45年間に渡って人々を教え導かれ80歳で亡くなりました。お釈迦さまはその時、懐かしい故郷カピラ城に帰る途中であったと言います。
お釈迦さまはクシナガラという町に滞在中にチュンダという鍛冶屋が差し上げた食べ物によって体を壊されて亡くなったと伝えられています。いまはどうなっているか知りませんが、私がこのクシナガラを訪れた何十年か前にはお釈迦さまの荼毘をしたという場所に人が登れるほど高く長い土の山がありました。
お釈迦さまの死には言い伝えられていることがあります。お釈迦さまは百年の寿命を持っておられたがそのうちの20年を後世の私たちに下さったというのです。この言い伝えの通りならば90歳まで生きた人の20年はお釈迦さまに頂いた20年ということになりますね。皆さんはこの話をどう思われますか。
私は上の話の本当の意味がまだ分からずにいますが一つ思うことがあります。それはお釈迦さまの教えに従うものは人生の晩年20年は教えの意味しっかり考えて生きなさいということではないかということです。お釈迦さまが死の床にあって最後の力を振り絞って教えて下さった遺教経に次のような一節があります。
「汝等比丘、悲悩を懐くことなかれ。若し我世に住すること一劫するとも會うものは亦當に滅すべし。會うて離れざること終に得べからず」と。そして、これと同じ言葉がこのすぐ後に「世はみ皆無常なり。會うものは必ず離るること有り。憂悩を懐くこと勿れ」と繰り返されています。
お釈迦さまは最後まで世の無常をおっしゃりたかったのでしょう。
この世のすべては無常。人間も例外ではありません。人はみなその無常に従って命を終えます。それを悲しんではいけない。苦しんではいけない。ただ一心にお釈迦さまの教えを実践していけば永遠の教えのなかに生きることができるというのがお釈迦さまの最後の教えでありました。更に参究。
諸行無常
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