再び「共存」考
令和3年11月6日
コロナの感染者が減ってきました。東京都を例にとると、5000人を越える日が何日もあった8月中旬をピークに4000~3000人台となり、9月半ばには1000人以下に、そして10月半ばからは100人以下になりました。この間、今年最少という日が何日かあり、呼応するように感染者ゼロという県が11月1日には21県、4日には24県を数えています。
上の傾向は当地山口県でも似たことが言えるようです。東京で5000人を越えた8月18,19両日は山口県でも100人を越える感染者がありましたが、その両日以後は100人以下となり、9月半ばからは1ケタ台の日が2ケタ台の日より多くなっています。そして11月3日、当県も103日ぶりにゼロを記録しました。感染者数でみる限りよい方向なのかと思います。
上の東京山口の状況からひょっとしてという希望を抱く方もあると思いますが、残念ながら感染者減=コロナ撲滅ではありません。一件落着とはいかないのです。ところへ、「コロナウイルスの終息とは、撲滅ではなく共存」という本を見つけました。著者は池上彰さん。コロナとの「共存」はすでに私も言っていることですが、その本を読んで改めて思うことがありました。
私が思い出したのは「棲み合い」ということ。棲み合いこそ共存ということです。これについてはこのたよりですでに2回申し上げました。1度目は平成31年1月8日(№520)号、2度目は今年1月17日(№616)号です。この棲み合いの論理を発見されたのは中井衛さん。中井さんは50年に及ぶチョウの観察によってこの事実を発見されたのでした。
中井さんが長年のチョウの観察を通して発見された「チョウの近縁種は競争をしない」という事実。中井さんは「チョウの近縁種は互いに分布域が重なるように行動し互いの種の識別能力を失わない仕組みを維持している。その識別能を残すことが相互に生き延びることにつながる。そこに生物多様性の原理が秘められている」と言われるのです。
中井さんが発見されたこの棲み合いの論理こそ「共存」そのものではないでしょうか。人間とコロナとの共存にそのまま言えることではないでしょうか。そしてさらに人間はこの棲み合いの論理で民族の違いを乗り越え世界平和を達成すべきではないでしょうか。棲み合いは共存。共存こそ平和です。珍重。
やっぱり思うよ。
「棲み合いの論理」の発見はノーベル平和賞だにゃーん
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