続・コロナに学ぶ №656

続・コロナに学ぶ

令和3年11月11日

 前号(№655)で人類とコロナとは共存しかないこと。それは中井衛さんがチョウの観察で発見した「棲み合い」であること。そしてその共存、棲み合いは対コロナだけでなく人類に当てはまり、その共存こそが世界平和の原点であることを改めて申し上げました。コロナの出現は人類に共存の大切さを教えているのだと思います。

 上のことを考えていて私たちがさらにコロナに学ぶべきことがあると思い至りました。昨年311日にWHOがコロナパンデミック宣言を発して以来一年半以上私たちは様々な対策を強いられました。3密回避、手洗いうがいの励行、ソーシャルディスタンス、在宅勤務、オンライン授業、ワクチン接種等々幾つもの面倒を強いられてきたと思います。

 その結果、私たちはそれまで何ともなくできていたことができなくなったり控えめにせざるを得なくなったりということになりました。そのことによるマイナス面は多かったと思います。小中学校を初め高校大学などで対面授業ができなかったことは教育の原点から見て大変なマイナスであったと思います。

 コロナのために仕事を失った人の多くが生活難に直面しました。分けて母子家庭のお母さんの中には登校できない子供を見るために収入減どころか仕事を失う人も少なくなかったことには言葉がありません。しかし、これらマイナス面の一方、生活の改善改良につながるのではないかと思われることもあります。

 その点で私が最も期待しているのは脱無駄遣い、生活の質素化です。私たちは戦後のこの70数年、大量生産大量消費の掛け声の中で「もったいない」を忘れて生活を過大に膨張させてきたと思います。家族の縦のつながりを失って生活の中の祈りをなくしました。化石燃料の莫大な使用は地球温暖化をもたらしました。


 私はコロナがその反省を教えていると思います。私たちがコロナに学ぶべきことがそれではないでしょうか。生活の中に質素を取り戻し無駄遣いを改めること。人間もまた地球生物の一員として生かされていることを再認識して心に祈りを取り戻すこと。私たちはそのことをコロナに学ぶべきだと思われてなりません。


困ること、不都合なことの中にこそ

  教えが隠されている。


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