威徳を高める信心 №41

平成22年4月8日

威徳を高める信心

　私がこの観音寺にご縁を頂いて早くも丸三年になりました。これもひとえに常日頃ご支援ご援助下さっている皆様のお陰と有難く感謝しております。心から御礼申し上げます。同時に三年たったいま不思議に思うのは、観音様とのご縁は私の意識以前に始まっていたのではないかということです。

　来た当初、庵主様初め多くの方から「方丈さんは観音様に選ばれたのです。観音様が一本釣りをされたのです」と言って頂きました。その時私にその実感はありませんでしたが、いま考えると、来る前に自分がしていたことはここにご縁を頂くための準備であったと思うことばかりなのです。それはやはり不思議としか言いようがありません。

　それともう一つ。いま痛切に感じることは観音様のご威徳を高めて下さるのは敬虔な信者の皆さま、信心の力だということです。法要に参加したり観音様の会にお出で下さったり殆ど毎日お参りを下さったりという方々の力が観音様のご威徳を一層高めているに違いありません。私たち人間が成長するのと同じように仏様、観音様も成長されてその力を大きくされるのです。霊験あらたかというご神仏は最初からそうだったというより信者さんの力によって一層その威徳を増したという方が正しいのではないでしょうか。

　

　教員時代つくづく思ったことがあります。それは「よい授業」のことです。「よい授業」というのは教師だけの力では絶対出来ません。子供たちつまりは生徒が参加し、生徒の力を貰って初めて出来ることです。仏力も全く同じと思います。仏様の力、ご威徳が大きく発揮されるのは信者様の力、信心力によるのです。信者様の力、信心力が観音様のお力を一層大きくして下さるのです。それこそを「感応道交」と言うのではないでしょうか。観音様のお力を信じてお参り下さる皆様がこの観音様を日に日に大きくして下さっていると有難く感謝しております。

  この帰依仏法僧の功徳必ず感応道交する時成就するなり

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～道元禅師～