ご立派です、スーちゃん №84

平成23年5月7日

ご立派です、スーちゃん


 先月末、元キャンディーズのスーちゃん、女優の田中好子さんが亡くなりました。享年55歳ということですからあまりに若すぎる逝去です。ご本人はむろん周囲やファンの方々にとってどんなに悲しく残念なことかと思います。

 しかし、そのことと同時にその死を悼む人々を感動させたのはその田中好子さんの生き方死に方、そして、葬儀に流されたご本人の別れの言葉ではなかったでしょうか。聴き逃された方のためにその一部をご紹介しましょう。

 「こんにちは。田中好子です。今日は三月二十九日、東日本大震災から二週間経ちました。被災された皆様のことを思うと心が破裂するように痛み、只々亡くなられた方々のご冥福をお祈りするばかりです。私も一生懸命病気と闘って来ましたが、もしかすると負けてしまうかも知れません。でもその時は必ず天国で被災された方のお役に立ちたいと思います。それが私のつとめと思っています(中略)デビュー以来、本当に長い間お世話になりました。幸せな幸せな人生でした。心の底から感謝しています」

 田中さんがこの言葉を録音したのは死の一カ月ほど前、進む病気の息苦しさを押してのことです。しかし、ご自分がその状態にあってなお地震の被災者のことを思い、自分が死んだらば天国でお役に立ちたいとおっしゃり、さらにご自分のこれまでの人生を感謝されていることに私も深い感銘と敬服を覚えざるを得ませんでした。
 
 田中さんの言葉は田中さんが輪廻転生を信じていることを表わしています。私もそれを信じる立場から田中さんはその言葉通り天国で大きな働きをなし、いつの日かまた更に大きな人となって生まれ変わって来られると思います。いつかも申し上げましたが死は次の生の始まりです。死に臨んでの強い決意は必ず次生の原動力になります。田中さんの言葉に私はそのことを改めて思いました。ご立派です。スーちゃん。
 


   あさまだき 動くものなき 静けさに
      ただ一声の 鳥の声聴く
                ~洋仙~

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