学生諸君! №127

平成24年2月2日

学生諸君!

 小学生、中学生、高校生そして大学生の学生諸君、皆さんは昨年の東日本大震災に何を思ったでしょうか。あの時のテレビ、新聞、ラジオの報道。思い出すだけで身の毛がよだつような恐ろしい映像やニュースに信じられぬ思いで見入った人も多かったことでしょう。中には親類など身近な方が被災したという人もいるかも知れませんね。


 あの大地震・大津波では二万人もの人が亡くなりました。小さな赤ちゃんもいました。小学生も中学生もいました。大人もお年寄りもいました。そして親を失った子ども、子を失った親たちの悲しみだけが残されました。亡くなった人たちは死にたくて死んだのではありません。死にたくないのに死んだのです。

 皆さんに考えて頂きたいのはそのことです。突然の死を目前にした時、人が死にたくないと思うのは、人は人としてしたいこと、しなければならないことがあるからなのです。人はみんなそれぞれ何かをしたくて、あるいは何かをしなければならなくて生まれてくるのです。ですから、それが終わらないうちは死にたくないと思うのです。

 皆さん、私たちは誰一人偶然に生まれてきたのではありません。それぞれがしたいことがあって自ら望んで生まれて来たのです。私たちはそれぞれ目的を持って自らの意志で生まれて来たのです。生まれてくることが難しい人間に生まれさせて頂いて自分の課題を成し遂げようとしているのが私たち人間なのです。有難いことなのです。

 今年も星祭になりました。 皆さんは星祭のお札をご両親やおじいちゃんおばあちゃんから頂いている人が多いと思いますが、星祭というのは、私たち一人ひとりがそれぞれの人生の目的をしっかり果たしていこうとする祈りなのです。学生とは本来は学生(がくしょう)、仏道を学ぶ僧を言いました。生きている限り私たちは皆祈りの学生(がくしょう)なのです。

どうか皆さん、自分は何をしたくて生まれて来たのか考えて下さい。答えはすぐには出ないと思います。でも是非このことをずっと考え続けて行って下さい。

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