質直の教え №245

質直の教え №245
平成26年 2月15日


(しつ)(じき)の教え
 先月、初観音初笑いの折、「笑うと楽しくなる」というお話をしましたね。笑いヨガの先生によれば、たとえつくり笑いでも笑いには身体や気持ちを元気にする力があるということでしたが、出来るなら「薄ら笑い」や「せせら笑い」よりは何の屈託もない心からの笑いの方がよいことは無論と思います。質の違いは効果の違いになるに違いありません。
 
 その意味で私がお願いしたのは童心に返った笑いでしたが、これは笑いヨガのガイドラインにも「無邪気、天真爛漫、陽気。子どものような自由さ」と書かれていましたね。子どもの笑いには何のわだかまりもありません。命がほとばしる笑いです。心の底からの笑いは人をあざ笑うことも人にへつらうこともありません。
 
 そう思うと、私は素直であること、正直であることの大切さを改めて思わない訳にはいきません。今日215日はお釈迦さまが入滅された日、涅槃会ですが、お釈迦様はその最後の説法でも素直と正直の大切さを言われるのです。お釈迦さまが最後の力を振り絞って素直の大切さを言われたことに胸迫る思いがします。
 
 お釈迦様はおっしゃいます。「(なん)(だち)比丘、諂曲(てんごく)の心は道と相違す、是の故に(よろ)しくまさに其の心を(しつ)(じき)にすべし」と。諂曲(こびへつらい)は生きる道ではない。素直に正直に生きることこそ大事なのだ、とおっしゃるのです。お釈迦様は繰り返して言われます。「まさに端心にして質直を以て本と()すべし」と。私はこれに粛然とせざるを得ません。
 
 端心(まっすぐに)に質直(素直)に生きることの何と難しいことでしょう。私たちは何を言うにも何をするにも、人はどう思うかが先になります。それはひとえに周囲の人によく思われたい、よく言われたいというへつらいの心があるからです。このへつらいがある限り仏の道には至らないのだとお釈迦様はおっしゃるのです。
 
 私たちに出来ることはまっすぐに素直に生きようと“努力”することです。今はまだそうならずとも常に素直に生きることを心がけることこそ大事ではないでしょうか。改めて相田みつをさんの言葉が身に沁みます。「弱きもの人間 欲ふかきものにんげん 偽り多きものにんげん そして人間のわたし」


 



        正直の(こうべ)に神宿る
        (正直な人には神の加護がある)











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