アサギマダラ再来 №344


アサギマダラ再来
平成27年10月17日


 アサギマダラ、今年も来てくれました。104日、所用から帰ると何と4頭ものアサギマダラがいるではありませんか。フジバカマの周囲を優雅に舞ってはまた花に下ります。いつ来てくれるだろうかと待ち望んでいたためもありますが、去年に続いて来てくれたことに嬉しさより先にまず「有難う」という感謝の気持ちが先でした。

 昨年、寺の僅かなフジバカマにアサギマダラが来てくれたのは、思いもかけぬ喜びでしたが、今年また旅の途中に寄ってくれたことには思わず「来てくれて有難う~」と口に出るほど感激でした。去年と同じ蝶かどうかは分かりません。でも同じ蝶かどうかは別に、今年も来てくれたことに感謝しかありません。

 アサギマダラがどうしてフジバカマを見つけるのかはまだ分かりません。去年は“香り”説を紹介しましたが、とすれば来訪は花数が関係するでしょうか。お世話下さっているYさんのお蔭で本数は昨年よりずっと増えましたが、それでも沢山というほどではありません。でも、去年は「4頭同時」はありませんでしたから、それは花数が増えた効果かも知れません。

 再来の感激のうちに思いました。アサギマダラが来てくれるにはまずフジバカマが咲いていなければなりません。香りが決め手だとすれば、花数が多くなければなりません。ということは、先ずフジバカマを植えること、次にはそれを殖やすことをしなければなりません。この二つがあってこそアサギマダラの来訪になるのです。

 と思って、そうかと気づきました。皆さまも気づかれたでしょうか。これって観音さまへの思いと同じではありませんか。観音さまには先ず観音さまへの素直な思いがなければなりません。その思いが一本のフジバカマです。そして、次にその思いのフジバカマを殖やすこと、それが日々の観音さまへの祈り、感謝ではないでしょうか。

 私たちが心にフジバカマを植えて、その心のフジバカマを殖やし続けること。その日々のたゆまぬ祈りによって観音さまが身近においで下さり、それに感謝できるようになるのではないでしょうか。いつわりなく素直に感謝の日を送ること。フジバカマとアサギマダラを見ていてその大切さを改めて思いました。
 


    思いつつましく こころを用い
    (ふるまい)をきよくし おのれをととのえ (のり)(したが)いて生活す
                      ~法句経~


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