モデルを生きる №360


モデルを生きる
平成28年2月3日 
 
      鳥慕鳥為鳥    鳥も獣もモデルの親を
      獣慕親為獣    真似て慕って親になる
      而人不止人    されど人は人を越え
      人慕仏為仏    仏を慕って仏となる

 生物には刷り込み(imprinting)と呼ばれる学習形態があります。最も顕著にそれがみられるのが鳥類で、たとえばガンは孵化した直後に出合った動くものを自分の親と認識します。刷り込みがなされる時期は限られていますが、一度成立した刷り込みは持続性が高くやり直しがききません。ですから鳥は孵化の直後に人を見てしまったら大変なことになってしまいます。

 このガンの例は刷り込みの典型的な例ですが、鳥類に限らず生物にはこのことが一般的に言えるのではないでしょうか。生物は生まれたての時は親の保護を必要とします。むろん、本能的に備わっている力もありましょうが、多くは親から食物を貰い、その捕食行動を習ってやがて一人立ちできるようになるのだと思います。

 これは人間も全く同じだと思います。いや未熟児状態で生まれてくる人間ほどこの刷り込み学習が大切な生き物はないと言えるのではないでしょうか。食べ物はもちろんですが、社会的生物と言われる人間は親を初めとしたモデルが成長に欠かせません。それが真似ぶ=学ぶであり、それによって人として生きる力を獲得していくのです。

 このことを思う時、私は人間のモデルの大切さを思わずにはいられません。人がよりよく生きるためには、その人にふさわしいモデルの存在が必要なのです。そのモデルを倣い慕うことによって人はおのれの道を進むことが可能になるのです。その意味では若い人ほど自分のモデル探しに懸命になって頂きたいと願って止みません。

 人間にとって最高のモデルはお釈迦様です。お釈迦様は人間の求むべき理想の姿を示して下さいました。私たちはその理想のお釈迦様を慕って精進しなければなりません。私はその毎年の意識確認こそ星祭だと思っています。どうぞみなさま、その思いで今年一年を有意義かつ大切に過ごして下さいますようお願い申し上げます。

 


みなさま、今年も星祭ご参加有難うございます。
厚く御礼申し上げます。
              住職並びに住職ネコちゃん



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