自己を祈る №361


自己を祈る
平成28年2月4日 

 お蔭さまで今年も無事星祭りを行うことが出来ました。改めて御礼感謝申し上げます。いつも申し上げることですが、私にとってお申し込みを頂いた方々のお名前をお札に書く作業は決して楽なものではありません。第一に書き間違いをせぬように緊張を強いられます。集中して根を詰めますから疲れもします。 

 しかし、私にとってこの作業は大変有難く嬉しい仕事でもあります。お札に名前を書くということが既に星祭りの祈りだからです。願主さまと観音さまの間に立ってこの一年の無事と健康をお祈りする第一歩がこのお札書きなのです。楽な作業ではありませんが、私はこの仕事をさせて頂いていることに深い感謝を覚えてなりません。

 そして同時に、私は皆さまにも星祭のお札を介して自分自身への祈りをして頂きたいと願って止みません。星祭の根本の祈りは天命の成就です。自分という存在、この生まれさせて頂いた命の意味を考え、またこの一年、そこに向かって生きていくことが出来るように願い祈るのが自分自身への祈りです。星祭りのお札はその祈りのよりどころなのです。

 私がそうお願いして止まないのは、この今という時代が「個を生きる」時代になったと思うからです。生きていくうえで個人としての人生の自覚と責任を強く求められる時代になったと思うからです。正直、これは安易なことではありません。自分が生まれて来た意味、その天命に向かって努力することを求められるからです。

 往時、私たちの社会がムラとイエで構成されていた時代には個、個人という存在はそのムラやイエに埋没しがちでした。個が埋没しがちな社会には気楽な面もあったかも知れませんが、その反面つらく悲しく悔しい思いをさせられることも多かったに違いありません。ムラ社会、イエ制度の社会は人が個人として生きることに馴染まないのです。

 私はいまこの日本だけでなく地球人類が個として生きる時代に向かっていると思います。それは決して悪いことではありません。困難であっても人類の進化の一過程だと思います。自分自身に祈ること。それが第一歩です。どうぞ皆さま、ご自分の天命の成就を祈って下さい。祈りは力です。

 

    生きる道 照らすともしび 二つあり
         おのれの祈り ほとけの教え

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