72年目の思い №444

72年目の思い
平成29年8月15日

 72年前の815日は終戦の日でした。暦には「終戦記念日」とあります。文字通り、太平洋戦争が終わった日です。しかし、この日を終戦と言わず「敗戦の日」と言う人がいます。当時の状況を考えれば敗戦と言う方が正しいと言うべきでありましょう。敗戦という言い方には真実を直視して枉げない心があると思います。

 しかし、その言い方はどちらにしても815日には誰しも共通する「これで戦争が終わった。平和が帰ってくる」という安堵と喜びがあったと思います。戦争の悲惨と苦しみから解放されることが何よりも大きな喜びと希望をもたらしたに違いありません。その気持ちをそのまま表したのが憲法九条ではないでしょうか。

 憲法九条に言う「戦争と武力の放棄」「戦力不保持」は、二度と戦争はしたくないという当時の国民にとって心からの願いであったはずです。これこそが悲惨な戦争の代償として私たちが辿り着いた世界平和への決意でありました。私たちはこれからもこの決意を守り続けていかなければなりません。この決意からブレてはならないのです。

 しかし戦後72年、戦争を直接体験した人たちが少なくなって戦争の悲惨な記憶は風化するばかりです。その一方で、歴史否定主義者やネオナチが支持を拡大しているという状況を見逃すわけにはいきません。私はこういう時こそ戦争の真実を直視する「敗戦」派に与して戦争の悲惨を忘れず憲法九条を守って行かなければならないと思います。

 いまこの憲法九条を改めようとする動きがありますが、言われているように、この九条に自衛隊を軍隊と明記するようなことになれば、現行の九条は全く意味をなさなくなります。それは平和の礎となってくれた戦争犠牲者、そして世界の平和を希求する私たちの願いを無残に打ち砕くことにしかなりません。

 国の形を決めるのは政治です。日本がこれからどんな政治によってどんな国になるのか。それは政治家を選ぶ私たちに掛かっています。憲法九条の世界の恒久平和を目指す国になるのか、状況の変化に捉われて武力を行使し戦争をする国になるのか、どちらを選ぶかは私そしてあなたに掛かっています。


    赤き蛾の 昼いでて舞ふ 敗戦日
                ~藤田湘子~

1 件のコメント:

  1. チベット、ウイグル、南モンゴル、台湾もパラオも中国政府からやられてます。

    南無三 フリーチベット

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