スミさんご逝去 №459

スミさんご逝去
平成29年11月17日

 1020日、当観音寺の最高齢ご信者、梶原スミ様が逝去されました。享年1055ヵ月。最後の一ヵ月余りはお食事ままならずでしたが意識は最後までしっかりとして観音さまへの感謝のうちに旅立たれました。まさに大往生。そのスミさんのご生涯とその生涯にわたる敬虔なるご信心に心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 スミさんは明治455月のお生まれです。明治45年は730日に大正になっていますからご誕生から2か月余りが明治。名誉ある最後の明治人という訳です。以来大正昭和平成という四つの時代を生きてこられました。日数で言えば38369日。この一日一日を真剣に大切に生きられたことに敬服しかありません。

 スミさんは二つの点で私たちのモデルになって下さいました。その第一は観音信仰です。お詣りしておっしゃることはいつも決まって「観音さまのお蔭です。有難う有難う」という感謝の言葉。その心境は阿弥陀信仰の妙好人同様、観音さまに守られているというより観音さまに同化されていたのだとしか思えません。

モデルのもう一つは長寿です。長寿の時代になって百寿者も多くなりました。しかし、同時に健康であることは簡単ではありません。その上にスミさんは高齢者が持つという「今が一番幸せ」という多幸感、老年的超越に到達された方でした。それはまさに長寿のモデル。憧れる長寿のお手本でありました。

      青葉若葉位一時    春の若葉は時のまま

      紅葉黄葉復一時    秋の紅葉も移りゆく

      万物流転無昼夜    すべてのものは休みなく

      有情無情逝無涯    果てない旅をくり返す

 上の秋法要の法語、奇しくもスミ様のご生涯とこれからを申し上げているようになりました。スミさんの人生も私たちの人生も一日一日です。過ぎた一日は帰らず明日の一日はまだ来ていません。今この時この一瞬こそが私たちの人生です。この一瞬のほかに人生はなくこの一瞬を永遠に繰り返すのが人生なのです。合掌。
 
 
 
 
いつ死んでも ありがとうや
        大西良慶
 
 
 

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