まほうの言葉④ 「そだね~」 №474


まほうの言葉④               
「そだね~」

平成30年3月8日


 平昌オリンピック、日本の獲得メダル13個は過去最多であったとのこと。まずはめでたしでしょうが、メダルには届かなかった人も努力と健闘は同じように讃えられるべきでありましょう。平和の祭典にメダルの数は二の次です。

 様々な話題があったこのオリンピックで私が「いいね」と思ったのが、3位決定戦でイギリスに逆転勝ちしたカーリング女子、LS北見の「そだね~」でした。この「そだね~」という言葉、どの場面で言われていたのか私は確認できませんでしたが、選手が口癖のように言っていたとすればもぐもぐタイムの時だったのでしょうか。

 カーリングには試合中にティータイムがあるとは知りませんでしたが、この時選手が食べていたお菓子が即座に売り切れになったというのもいかにも日本。ま、それはともかく、おそらく攻め方を考えるその時間に「そだね~」が飛び交ったのではないかと思います。としたら、この「そだね~」はどんな効果をもたらしたのでしょうか。

 「そだね~」はもちろん同意を意味しています。英語では同意をagreeと言いますが、このagreeの原義は「~に(a)、喜び(gree)を向ける」という意味だそうです。ということは、同意というのは、その意見を喜んで励ますということになります。「そだね~」と言う合意がチーム全員の結束になったに違いありません。

 考えていて思い出すことがありました。養護学校時代、お母さんの話を頭から否定してはいけないと言われたことでした。お母さんの言うことが正しくないと思ってもまずはそれに耳を傾けてそれを受け容れなさいと言われたのです。否定には反発しかありません。まず同意することに次への一歩があるのです。

 このことは私たちの日常についても同じことが言えるのではないでしょうか。端的な話が認知症の方とのことです。歳とれば認知症でなくても同じ話が繰り返されるのは当たり前ですが、この時「その話はもう100回聴いた」というよりも「そだね~」と相槌を打てたら互いにどんなに和むでしょう。「そだね~」もまほうの言葉です。
 

「そだね~」で世界を平和に致しませう



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