大震災後7年 №476

大震災後7年
平成30年3月13日

 
 東日本大震災からまる七年になりました。人それぞれ「もう」と思う人も「まだ」と思う人もおいででしょう。この七年、復興は進んだでしょうか。時折伝えられる映像を見れば土地が嵩上げされそこに新しい商店街や住居が出来て活気が戻ったところもあるようです。それはそこに住む人々のこの七年の努力の賜物でありましょう。

 しかし、実際に被災された方々の復興の感覚は決して一様ではありません。各県そして地域、また仕事等によって感じ方が異なるのはむろんですがよいところでも七割ほどでしかありません。しかし、物的なことは徐々にでも復興が続くでありましょうからこれは時間が解決してくれることに期待したいと思います。

 しかし、震災被害が大きかった東北5県のうち福島県は、時が解決してくれるとは言えない被害を受けました。申し上げるまでもなく原発事故です。いつでしたか「原発事故で死んだ人はいない」と言った大臣がいましたが、あの事故で死に追いやられた人は何人もいます。事故が引き金になった死者の数は驚くほどになるはずです。

 あまつさえ事故原発3基の処理はいまだにその目途が立っていません。毎日増え続ける汚染水。溶け落ちた燃料(デブリ)がどうなっているのか。それをどうしたら取り出せるのか。廃炉設計さえ作れていないのです。帰還可能になった地域に戻る人がいても高齢者ばかり。それらの町や村がいずれ消滅していくことは目に見えています。

 自然災害ならまだ諦めが尽きましょう。しかし、人災によって失われた命や村への諦めは尽きません。震災がもたらした原発事故という人災の苦しみは今後何十年たっても消えることはありません。にも拘らず国や電力会社は原発を止めようとしていません。私は政府も電力会社も完全に気が狂っていると思います。

 あなたは原発に反対ですか賛成ですか。こう問われると、この山口県でも反対という人は賛成の人より多くいます。しかし、それではその反対が市政県政に反映されないのは何故ですか。はっきり申し上げましょう。それは口では反対と言いながら行動は逆の人がいるからです。皆さんどうぞ正直に正しく生きて下さい。

  蟻の如くに集まりて、
  東西に急ぎ南北に(わし)る。
  老いたるあり若きあり。
  生を貪り利を求めて止む時なし。
            <徒然草74段>

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