「サンライズ・サンセット」 №523

 「サンライズ・サンセット」
平成31年2月3日

陽はのぼり陽は沈み 時は行く 
 
よろこびと悲しみをのせて 今日も行く

   サンライズサンセット サンライズサンセット

   年は行く しあわせと涙をのせて 今日も行く

 上の詩、岩谷時子さん訳詞の「サンライズサンセット」の第4番です。

 この歌、ご存知ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」で主人公テヴィエとその妻ゴールデとの娘ツァイテルの結婚式に歌われますね。「屋根の上のバイオリン弾き」はロシアに暮らすユダヤ人社会を描いた物語ですが迫害されて村を去って行くことが主題だけにこの「サンライズサンセット」も明るさよりも“しんみり”が先になります。

 それだけに、この歌は人生への思いに達していると思います。サンライズサンセット(陽はのぼり陽は沈む)は日常そのものでありながら実は宇宙の法則に他なりません。その日常(毎日)の繰り返しが季節の移ろい、四季になります。そして、その季節の移ろいが一年になり、一年の繰り返しが私たちそれぞれの一生になります。

 上の岩谷さんの詩で「時は行く」というのはまさに一日一日が季節の移ろいになるということであり、「年は行く」というのは毎年毎年が一生になるということですね。毎日の喜びと悲しみ、毎年のしあわせと涙。私たちの一生はその喜びと悲しみを繰り返していくのだと歌うところに人生に対する達観を見る思いがします。

 諸行無常の教えの通り人間は無常の存在です。この身も心も一瞬たりとも止まってはいません。瞬々刻々に変化し続けています。そしてこの私たちは自力で生きているのではありません。自然と宇宙に生かされているのです。サンライズサンセットはこの無常の真理を歌っているように思えてなりません。

 今日星祭の日。毎年私がお願いしていることはこの星祭を生き方点検のよすがにして頂きたいということ。お札を目につく場所に貼って時にそれを見て自らの生き方に思いを致して頂きたいということです。ついいい加減になりがちな日常を振り返って初心に返り行ないを改めていく。それが精進に他なりません。
 
皆さま今年も星祭有難うございます。
どうぞまたこの一年お元気にお過ごし下さいますよう。

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