続「サンライズ・サンセット」 №524

続「サンライズ・サンセット」
平成31年2月4日

 前号で岩谷時子さん訳詞「サンライズサンセット」第4番の「時は行く」「年は行く」が日ごと年ごとの移り変わりであり、それがそのまま私たち人間の一生であると申し上げました。歌詞1抱いてねんねさせた/小さな赤ん坊が/こんなに美しい娘/いつの間にこの娘は大きくなったのか/昨日までが嘘のよう」は全くその意味でありましょう。

 私たち人間の一生は時の流れ、宇宙のリズムの循環にあります。陽がのぼり陽が沈むのは昼夜(一日)すなわち明暗陰陽であり、時の流れによる四季(春夏秋冬)は暖暑涼寒という気温のリズムです。人間にもバイオリズムという周期変化がありますね。その典型が1日周期の睡眠と覚醒。動と静のリズムです。

     毎天陽上東沈西    陽が昇り陽が沈み

     毎年季節廻不迷    季節は決まって移りゆく

     古今東西無別事    天のめぐりのその如く

     人間生死在斉々    人は生死を繰り返す

 上は星祭の法語ですが奇しくも「サンライズサンセット」と同じになりました。私たちの一生は季節の移ろい、年の変化と同じです。季節そして一年というリズムの繰り返しの中に生きているのです。その意味でも四苦とされる「生老病死」は人間一生のリズムを誠に端的に表していると思わざるを得ません。

 「生老病死」は人が生まれてから死に至るまでの経過です。生まれて老いるまでには成長という過程がありますが、その成長も厳密に言えば老化の一過程です。そして殆どの人が病を経て死に到ります。これは朝が来て夜になり春が来て夏になるというリズム変化と全く同様と言えるでありましょう。

 大切なことは「生老病死」も一連のリズムだということです。一日一年というリズムの繰り返し、その天行が永遠であるように「生老病死」というリズムも永遠の繰り返しだということです。陽が昇り陽が沈むことが永遠に繰り返されるように「生老病死」は永遠の循環にあるのです。珍重珍重。


 死ぬも生きるも ねえお前
 水の流れになに変わろ おれもお前も
 利根川の 船の船頭で 暮らそうよ 
          <船頭小唄>

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