お遍路で考えたこと①「無理やり」考 №535


お遍路で考えたこと①「無理やり」考
令和元年5月8日

 またお遍路に行ってきました。先月23日~26日まで松山市と高知市の七か寺です。今回はこれまでのような徹底した歩き遍路ではなかったのですが私には行く前から大変不安なことがありました。脚力です。楽なコースとは言えきちんと歩けるか非常に不安だったのです。

 私が筋痛症のために服用しているステロイドの副作用の一つに筋力の低下があります。ま、自分の場合は運動不足が原因と言った方が当たっているのかも知れませんが、ともあれ自身この一年痛感しているのが脚力の著しい低下。寺の僅かな階段の上り下りにもフーフーしているのですから階段また階段のお遍路に不安は当然でありましょう。

 で、私は歩くことが難しくなったら車か電車を使うことにして同行の二人にそれを了解して貰いました。迷惑を最小限にするにはそれしかありませんでしたが、今回のお遍路は同行の一人と私の十数年振りの再会記念でもありましたので二人とも快く私の甘えを受け入れてくれました。はてさてどうなるかおっかなびっくりのお遍路の始まりです。

第一日は伊予鉄道鷹ノ子駅から48番西林寺。続けて49番浄土寺50番繁多寺51番石手寺と回る10㎞足らずの道のりです。足に不安がなければ何と言うこともない距離です。しかし、私の足は初めから違和感を訴えていました。痛みはありませんでしたがしびれに近い重さで自分の足ではないような感覚を覚えざるを得ませんでした。

 私はその自分の足の感覚を無視しました。痛みに襲われるかも知れませんでしたが、それは考えずに歩きました。それは恐らく「無理やり」だったと思います。しかし、お遍路に来た以上は歩くしかありません。歩けなくなるまでは歩かなければなりません。言うほどに悲壮なものではありませんが無理を承知でのお遍路でした。

 ところが、何と幸いなことに私は足に違和感を覚えたまま三日間歩くことができました。終わって一番の感想は「たまには無理もいいもんだ」です。とかくいまは安全第一に「無理するな」という時代ですが無理と思えることもやってみれば存外思い通りに出来てしまうこともあるのではないでしょうか。
 
  若い皆さん、のっけから
 「ムリムリ!」はやめようね
 

 

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