そのように来た人 №582

そのように来た人
令和2年4月8日

 今日48日はお釈迦さまのお誕生日、花祭りの日ですが、今年はコロナウイルスのために中止のやむなきになりました。桜も見事に咲いてくれただけに残念です。ところで、皆さんにお伺いですが、お釈迦さまは「釈迦如来」と言われますね。では、お釈迦さまをなぜ「如来」と言うのか。「如来」とはどんな意味かご存知でしょうか。

 如来とは梵語「タターガタ」の訳語です。梵語学者岩本裕さんによれば「タターガタ」とは「そのように(タター)来た(アーガタ)人」という意味で「そのように」とは、過去に理想像を描き「その人のようにこの世に出現した人」という意味だそうです。表題の通り「そのように来た人」と言うのが「如来」の意味なのですね。

 仏教の教えるところによれば、私たちのお釈迦さまの前に6人のお釈迦さまがいたと言います。「そのように」(タター)とはお釈迦さま以前の6人の過去仏を指しているに違いありません。とすると、では何ゆえにお釈迦さまは「そのように」この世にお出で下さったのか。皆さんも恐らくそのことを疑問に思われると思います。。

     釈迦生人教仏道   お釈迦さまのみ教えを
     人間生人学仏道   守って生きる我ら人
     綿々二千五百年   倦まず弛まずひたすらに
     生死輪廻即仏道   祈る人生それが仏道

 上は今年の花祭りの法語ですが、この法語の通り私たちはお釈迦さまの教えに従って生きています。ということはお釈迦さまが2500年前、この世に出現して下さったのはお釈迦さまの教えを私たちに教えて下さるためであったと言えないでしょうか。私はまさにそのためであったと信じて疑いません。

 お釈迦さまは元々人間に生まれる必要がなかった方です。私たちのように輪廻転生を必要とするお方ではありませんでした。それを敢えて人間として出現して下さったのはその教えを私たち人間に伝えて下さるためだったのです。人間のモデルとしてこの世に現れて下さったのです。有難いことであります。珍重珍重。
 


お釈迦さまの教えは、悪いことはしない、
よいことをする、心を清らかにする。
これだけです。

0 件のコメント:

コメントを投稿