コロナに学ぶこと №587

 コロナに学ぶこと

令和2年5月17日 

最近「新しい生活様式」という言葉をよく聞くようになりました。何のことかと思いましたらコロナに感染しないための「手洗い」「うがい」「マスク」「ステイホーム」を心掛けましょうということらしいですね。要するにコロナウイルスにとりつかれないよう予防に努めて下さいということなんですね。

 でもマスクはともかく手洗いうがいは日常的に大切なことですから改めて言われるまでもありません。ステイホームはコロナが収束した途端死語になってしまうに違いありません。コロナ予防法に過ぎないこれらを「新しい生活様式」と呼ぶことには違和感しか覚えませんが皆さんはどうお思いでしょうか。

 新しい生活様式、と言うのであれば今回のコロナ感染に学んだことをこれからの私たちの生活に活かすことこそがそれではないでしょうか。子どもたちの休校は3ヵ月にもなりました。在宅勤務が増えました。3密によって外出や集会を控えざるを得ませんでした。これまでの生活から見れば不自由不便を強いられることになりました。

 しかし、その不自由不便な生活を逆に考えればこれまでの生活に無駄無理無用なものが多かったことにも気づくに違いありません。とすれば、私たちはコロナによって強いられた不自由不便をただ拒否するのではなく、コロナ以前の生活をもう一度見直すこと、再点検することが必要ではないでしょうか。

 その再点検で私が申し上げたいのは生活のアナログ化です。前にも申し上げましたが、私たちは“早い簡単便利”を求めて生活のデジタル化をしてきました。しかし、今ここでもう一度生活のアナログ化を考えなければならないと思うのです。アナログは面倒です。しかし、その面倒なことの中にこそ生活の実感があるように思えてならないのです。

 アナログ化で端的なことの一つがコミュニケーションです。コミュニケーション手段の基本は「会って話す」でしょうが、今はSNSが当たり前になりました。SNSは便利簡単ではあってもコミュニケーション価値が限定化されることは言うまでもありません。このことに限らずコロナを機に生活を考え直す。それが必要ではないでしょうか。

 

     (コロナ)禍を転じて福と為す

               <戦国策>

 

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