切なさの先にあるもの №637

 切なさの先にあるもの

 令和3年6月17日

  先日K子さんに切ない話を伺いました。皆さんは「ワタシが日本に住む理由(わけ)」とでいうテレビ番組をご存知ですか。毎週水曜日の夜BSで放映されているそうですが切ない話というのはその番組の話です。話を教えてくれたK子さんは改めてその話に涙ぐんでおられましたが、聴いた私たちも同じように切ないことでした。

 話というのはこうです。スペイン生まれのホセ・アントニオさんは中学卒業後父親のレストランで働き始めますがゲームに夜遊び放浪旅とチャラ男人生まっしぐら。そんな中日本に来て日本人女性と恋に落ちて結婚、二人の子どもに恵まれたのも束の間、その愛する妻が病のために二人の子どもを残して亡くなってしまったというのです。

 お母さんが亡くなった時下の女の子はまだ一歳にならなかったそうです。その子はむろん上の子にとってもなくてはならないお母さん。お母さんにとっては一時も離したくない二人の我が子。どちらにとってもかけがえのない親子なのにその間が無惨に引き裂かれるという悲しみは察して余りあります。

 お母さんが二人の子どもとご主人に残した手紙には「みんなありがとう。お母さんは空からみんなを見ています」と書かれていたそうです。これから先子どもたちがお母さんがいない淋しさをどれほど感じなくてはならないだろうかと考えると子どもたちが元気に明るく育ってくれることを祈らざるを得ませんでした。

 でもこの話、人の世の悲しみというだけなのかと考えていて思うことがありました。それはこの家族は間違いなく霊的な関係を強くする、ということです。お母さんを慕う残された3人、そしてその3人を空から見守るお母さん。この家族はこれから生きていくうちに明らかに霊的なつながりを深めその縁を強くしていくだろうと思います。

   恐らく来世、この家族は何らかの形で再び巡り合うに違いありません。そしてその時には今生でのつながりをさらに強くするに違いありません。縁というのはそういうものだと思います。強い縁で結ばれたものはいつかまた間違いなく再会を果たします。その時までどうかこの家族に幸あれ。幸あれソワカ。


  縁により 出逢い頂く 人生は

  有難きかな 有難きかな

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