教育の意味 №708

 教育の意味

令和4年12月14日

 先達て小6になる小衲の孫、(はる)くんが家族を前に「これからの自分たちにとって大変なことは地球温暖化だ。戦争なんかやってる場合じゃない」と言ったと申し上げましたところ何人もの方から共感の思いと晴くんへのお褒めの言葉をお寄せ頂きました。恐縮ながらも有難いことで厚く御礼申し上げます。

 そのうちのお一人、横浜のTさんは「晴くんの強い思いにはご住職様の生き方が受け継がれているのでしょう」とお手紙を下さって、これには一層恐縮でしたが、お手紙には「一人の人間の存在は地球の中の点に過ぎませんが、誰かがその人の生き方の影響を受けて次に繋いでいくとすれば点ではなく線になって行くのですね」と書いて下さってありました。

 そしてまた「教育の大事な点は本当の豊かさを探せる人間を育てることだと思います」とありました。考えさせられました。人間は親に育てられますが、子育てと言うのは教育に他なりません。子は親に育てられながら生き方を学んでいくのです。Tさんがおっしゃるように親は本当の豊かさを探せる人間を育てなければならないのです。

 「学ぶ」という言葉は「真似ぶ」だと言います。子どもは親の生き方を真似て自分の生き方を獲得していくのです。とすれば、子どもが本当の豊かさを探せるようになるためにはすまず親自身が本当の豊かさを探す人にならなければなりません。子はその親の生き方と考えを真似て子の人生をつくっていくのです。  

 人が生きるということは教育を受ける(学ぶ)ことであり、同時に教育する(教える)ということです。Tさんが言われるように一人ひとりの存在は点に過ぎませんが人同士の教え合い学び合いは点と点をつなぐ線になります。その線はやがて網目のように広がって共感と連帯につながっていくに違いありません。


 ロシアはいまなおウクライナへの侵攻を止めていません。こうしているうちにも沢山の人たちが命を奪われ、沢山の人たちが飢えと寒さに苦しんでいるのです。私たち一人ひとりは無力な点に過ぎませんが平和を望む一つの点が線になってつながっていけば戦争を止めさせる包囲網になって行くことでありましょう。



「スイミー」に学ぼう!


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