ゼロコロナの教訓 №722

 ゼロコロナの教訓

令和5年3月17日

コロナがパンデミックして4年目。現在の第8波は感染者が幾分減少化していますが、それが収束に向かうという保証はどこにもありません。これまでと同じように新たな変異株が出現して第9波に突入してしまうかも知れないのです。我が国では5月にもインフルエンザと同類にしようとしていますが心配が尽きることはありません。

 先日の新聞(3/2付朝日新聞)に「ゼロコロナ 疲弊する中国」という特集記事がありました。中国ではこの3年間、ゼロコロナという徹底したコロナ撲滅作戦を取ってきましたが昨年暮れにそれを解除しました。その後に残されたのは疲弊した地方財政と無用の長物と化した何十万床もの「箱舟病院」だと言います。

 この事実には当の中国だけでなく世界の国々が学ぶべき教訓が残されたと思います。その第一は「共存」ということではないでしょうか。ゼロコロナを実施中、中国は膨大な予算をつぎ込んでPCR検査やロックダウン(都市封鎖)、隔離施設の建設をしました。その額は昨年だけでも68千億円にもなると言います。しかし、ゼロコロナにはなりませんでした。

 元よりコロナウイルスを撲滅することは不可能なはずです。となれば、ウイルスとの共存しかありません。人がコロナウイルスに感染しないように共存するしかないのです。これは国同士そして世界の民族に言えることです。利害が相反する時には相手をやっつけるのではなく互いに共存するしかないのです。ゼロコロナの教訓は共助共存ではないでしょうか。

 教訓はもう一つあります。権力が国民を力で押さえつけようとしてもそれはできないということです。そもそも中国がゼロコロナをやめたのはこの政策に対する住民の強い反発が激高してそれを抑えきれなくなったからです。住民を抑え込んでする圧政には無理が伴います。その抑え込みはいつか破綻せざるを得ないのです。


 上のことも世界に共通する問題です。中国はいま覇権主義を露わにしていますがそれはゼロコロナと同じです。世界にはほかにもロシアやアフガニスタン、ミャンマーなど強権で国民を押さえつけようとしている国がありますが、これらの国も同じです。強権や覇権はいつかは破綻することをゼロコロナに学ばなければなりません。



力で制する者は力に屈する


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