いろとりどり №758

いろとりどり

 令和5年12月16日

いま放送されているNHKの「みんなのうた」に「いろとりどり」という歌があります。幾つかのバージョンがあるようですが、そのうちの一つ「ツバメ」という歌に心惹かれるものがありました。多分皆さんもお聴きになっているだろうと思います。ちょっと長い歌詞ですがその1番をご紹介しましょう。

 「きらめくみなものうえを むちゅうでかぜきりかける つばさをはためかせて あのまちへいこう うみをこえて ぼくはそう ちいさなツバメ たどりついた まちでふれた たのしそうな ひとのこえ かなしみにくれる なかまのこえ みんなそれぞれ ちがうくらしのかたち まもりたくて きづかないうちに きずつけあって しまうのはなぜ おなじそらのしたで ぼくらは いろとりどりのいのちと このばしょで ともにいきている それぞれ ひともくさきも はなもとりも かたよせあいながら ぼくらはもとめるものも えがいてるみらいも ちがうけれど てとてをとりあえたなら きっとわらいあえるひがくるから ぼくにはいま なにができるかな」 

 この歌詞を読むと、まさにこの歌はいまの世界今の私たちを歌っているではありませんか。世界の人はそれぞれ違う暮らしをしていていい筈なのにそれを忘れて傷つけあってしまっています。人も草木も花も鳥もみんなそれぞれ求めるものは違っても肩寄せ合って生きるべきなのにそれができていません。

 この歌の根底にあるのは「共存」ですよね。求めるものも描いている未来も違うけれど、その違いを認め合って存在するのが共存ですよね。まして人間、民族宗教言語文化習慣が異なるのであればその違いは違いとして容認し、そこに足を踏み込まないというのが共存の基本ではないでしょうか。


 ロシアのウクライナ侵攻がいまだに続いている今、新たにイスラエルとハマスが戦争状態になって多くの罪のない人々が命を奪われています。犠牲者の多くが子どもや女性だということに胸の痛みを覚えてなりません。世界の人々が「いろとりどり」の生活ができるように私たちはいま何ができるでしょうか。



鈴と、小鳥と、 それから私、

みんなちがって、みんないい。

         金子みすゞ


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