百万一心 No.119

平成23年12月7日

百万一心




 11月30日、表題の会が山口市小鯖の禅昌寺で開かれました。今年度の山口県曹洞宗「心の大学講座」が東日本大震災復興支援プロジェクトの一環として県青年会の主催で行われたのです。表題の「百万一心」は毛利元就公の言葉と言い伝えられているそうですが、まさに国難とも言うべき大震災から立ち直るには私達一人ひとりが心を一つにして向かうしかありません。被災の関心が薄れようとする時であれば一層心を新たにしなければならないのです。

 我が観音寺からは5名の方が出席して下さいました。月末の多忙の時に時間を作って参加して下さった方々に先ず心からの御礼を申し上げます。青年会長もその挨拶の中で意識を薄れさせないことの大切さを言われましたが、その意味でも参加して下さったこと自体に大きな意味と力があると思います。本当に有難うございました。

 会には釜石市から和太鼓の「桜舞太鼓」の方々がお出でになり力強い演奏を披露されましたが、会場を埋めた五百人もの参加者とその声援に笛の音が感涙にむせぶ一こまもあり、百万一心の願いどおり演奏する人も聴く人も一つになった演奏でした。「桜舞太鼓」は津波で全ての太鼓を失ったばかりか団員の一人が犠牲になったということですから山口での演奏に感無量だったと思いますが、逆に励ましと勇気を頂いたのは聴いていた私達だったと思います。

 また、午後には歌手南こうせつさんのお兄さん、南 慧昭老師のチャリティコンサートがありました。慧昭老師は定年後に僧侶になられたといいますが、音楽活動は学生時代からされていたそうで実に美しい声であるばかりかお話も見事で楽しいコンサートでした。途中全員で「赤とんぼ」や「ふるさと」を歌いましたが、歌いながら思わず涙がこぼれそうになったのは私一人ではないと思います。歌の力ってすごいですね。

 被災地はこれから寒い冬です。この先にまだ希望を見いだせず悲しみと孤独に取り残されている人たちも沢山いるに違いありません。どうぞ皆さん、祈りを続けて下さい。祈りは力なのです。祈りの力が願いを実現させるのです。

  身にしみて 亡き人思う 時もあり 募る寒さの 秋の夕暮れ

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