寂しい時には №133

平成24年3月18日

寂しい時には



        ありありと 春愁の眉 阿修羅像    倉橋羊村

 先達てのたより(睡る蛇・№129)で寂しさのことを書きましたら、思い当たる節があったのかさるお方に「あれはさみしかったですね」と言われました。ま、私とていつも寂しさに襲われている訳ではありませんし、日常はむしろ能天気と言ってよいのですが、考えれば人は誰しも寂しさを思わないことはなく、人生そのものが寂しさと道連れだろうと思うのです。

 和歌の時代には「三夕の歌」に代表されるように、寂しさと言えば「秋の夕暮れ」でしたが、近代はむしろ冒頭の句のように春の愁い、春愁が言われるようになりました。阿修羅の眉に春の愁いを見たのは現代詩人の感性だと思います。そんなことを思っていたらネットで「理由なくさみしいときの対応法」というのを見つけましたのでご紹介いたしませう。

 対応その①は「30秒ほど上を向く」です。落ち込むとうつむきがちになりますね。「上を向いて歩こう」です。②は「光を浴びる」です。これは鬱の治療として言われていますね。光がエネルギーであることは間違いありません。③は「意味なく笑う」です。いまラフターヨガが注目されていますが、笑いにがんを治す効果があることは医学的に確かめられていますね。

 ④は「ポジティブな言葉を独りごとで言い続ける」です。明るく力強い言葉を繰り返すことで言葉の力を成就させるのです。⑤、⑥は「楽しかったころの音楽を聴く・匂いを嗅ぐ」です。これは認知症の人の改善にも有効ですね。楽しかった時の元気を呼び戻すのが歌や匂いなのです。そして最後⑦は「寝る」です。そう、寝られれば寝るのが一番かも知れません。

 どうですか、みなさん。ここに紹介したこの七つの方法はどれもその効果が確かめられているものです。多分皆さまも気持ちが沈んだ時、このうちのどれかをなさっているのではないでしょうか。③の意識的に笑うことはなじみが薄いかも知れませんが、これはお詣りの方にラフターヨガの先生がおいでですので、いずれ体験をお願いしたいと思っています。「ワッハッハ、ワッハッハ、ワッハッハのハノハノハ…」ってね。
日をまともに見ているだけで


うれしいと思っているときがある      ~「太陽」・八木重吉

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