お遍路差別事件 №259

お遍路差別事件 №259
平成26年 4月21日

お遍路差別事件

 小中、高校生の皆さん、皆さんはお遍路(へんろ)を知っていますか。お遍路に行ったことはなくてもお遍路という言葉は聞いたことがあるでしょう。なかにはおじいちゃんやおばあちゃんがお遍路に行っているという人もいると思います。実はお大師さんの日に皆さんが旗あめを貰いに歩くのはこのお遍路のミニ版なんですよ。
 
 いまでもこれほどに親しまれているお遍路ですが、つい最近、このお遍路のことで悲しむべき、いや憎むべき事件がありました。徳島、愛媛、香川三県のお遍路道休憩所13か所に外国人排除の貼り紙があったというのです(410NHKニュース)。このニュースを聴いて私は悲しみと同時に怒りを覚えてなりませんでした。
 
 ご存知のように、お遍路は弘法大師、空海さんが修行して歩いた道が基本になっていると言います。若き日の空海さんが、四国全土を巡りあるきながら修行された道が、時を経て88の札所と番外の霊場を巡る現在のお遍路道になったのです。お遍路とはお大師さんを偲び、お大師さんと一緒に四国の道を歩く修行なのですね。
 
 ですから、修行としてのお遍路は人を問いません。老若男女、人種、国籍を問いません。思い立った人誰もがすることができる修行、それがお遍路なのです。そのお遍路から外国人を排除しようとするのはどんな考えなのでしょうか。恐らくは貼り紙をした人はお遍路をしたことのない人でしょう。お遍路をしたことのある人間がすることではありません。
 
 修行を知らずお遍路も知らず、偏狭な民族主義に捉われてお遍路から外国人を差別し排除しようとすることは許されません。そのような権利は誰にもありません。恥ずべき行為と言わなければなりません。先達てJリーグの浦和レッズでもサポーターによる同様の事件がありましたが、ともに自分の人間性を(おとし)める行為なのです。
 
 関連して皆さんに改めてお願いがあります。皆さんは学校で友だちを差別したりいじめたりしてはいませんか。いじめや差別は絶対にしてはなりませんよ。それは結局自分に跳ね返ってくる行為なのです。人間として許されぬ行為をすれば必ずその報いを受けます。それが天の道、仏の道なのですから。


  



たいせつなことはね いつでも前をむいて
自分の足で 自分の道を歩くことですよ <相田みつを>










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