宿願の探求 №305

宿願の探求 №305
平成27年 2月 3日


 宿願の探求
     
          人皆各々有心情      人誰しもが持つ願い
     宿願探求是人生      尋ねゆくのが生きること
     何日為拈華微笑      にっこりできるその日まで
     青山千里営々征      青山千里の旅をゆく

 
 意識するしないは別ですが、人は誰しも自分の願いによってこの世に生まれています。逆にいえば、願いや使命がなければ人は生れてくることはありません。存在するものはすべてその存在理由、意味と価値を持っているのです。人間、動物植物はむろん、家具雑貨石ころに至るまですべ理由を持ってそこに存在しているのです。
 
 してみると、私たち人間は、自分が何を望んで生れて来たか、何をしなければいけなくて生れて来たかを考えることが人生になります。前号で申し上げましたように行住坐臥、日常に真剣に一生懸命取り組みながらそれを考えなければなりません。そして、気がついたことがあったらそれを実行に移さなければなりません。自己究明とはそのことだと思います。
 
 話は飛躍しますが、人間はみな死にます。ご安心下さい。早く死にたいと思っている人も、死にたくないと思っている人もいつの日か必ず死にます。でもそのとき、にっこり逝くことができたらどんなに幸せでしょう。「やるだけやった。よかった」と思って逝くことができたら嬉しいですね。それを思って作ったのが上の詩です。
 
 三句目の「拈華微笑(ねんげみしょう)」はお釈迦様と迦葉尊者のお話です。ある時、お釈迦さまが弟子たちにお花を一本示されました。弟子たちは何事だろうと思いましたが、一人迦葉(かしょう)尊者だけがにっこりと微笑んで頷きました。お釈迦様はそれをご覧になって、ご自分が到達した教えの一切を迦葉尊者に伝えて後を託したというのです。
 
 今日は星祭りです。どうぞ皆さま、自分が生きている存在理由を尋ね思い巡らし、一輪の花に拈華微笑することが出来る日までともに精進しようではありませんか。星祭りの意義はそこにあります。決意新たに倦まず弛まずなのです。



 

         皆さま、今年も星祭り有難うございます。
         住職ともども厚く御礼申し上げます。
                    住職ネコちゃん



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