また「食(しょく)足(たりて)世(よは)平(たいらか)」 №400

また「(しょく)(たりて)(よは)(たいらか)
平成28年10月3日

     明澄青天深遠清    明るく清く空澄んで

     遊風秋桜呵々軽    笑うコスモス秋の風

     日清観音二十年    観音様のお祭りに

     祈平和社運隆盛    祈る繁栄世の平和

 

 上は日清食品下関工場の観音さま奉安二十周年祭の法語です。前回の十五周年祭は平成23年春四月でしたが、今回は澄んだ秋空の下、コスモスが風に笑ってそよぐ好時節。当観音寺がまたこの二十周年祭に携わらせて頂けましたことに有難く感謝したいと思います。

 前回申し上げたかどうか忘れましたが、私は日清食品という世界的な企業が観音さまを大事にされている会社であることに有難い敬意を覚えてなりません。それは創業者、安藤百福さんご夫妻の観音さまへの篤信によるものであったと思いますが、その信心を個人に留めず社として継承して下さっていることが貴いと思うのです。

 安藤さんは同時にその創業の過程で「食足世平」すなわち「食足りて世は平らか」という言葉を思い付かれました。私はこの言葉も観音さまのお導きではなかったかと思うのです。仏国土は平和でなければなりません。その平和な生活の基本は「食」です。安藤さんは「食糧は命の糧です。人の命を支えているのです」と言われましたが本当にその通りなのです。

 振り返ってこの日本はどうでしょうか。表面は平和です。しかし、その平和な日本でいま6人に一人の子どもが満足な食事が出来ていないという信じがたい事実があります。しかもこの数字はこの数年変わっていないのです。飽食と言われる陰にこのような事実があることを安藤さんはどのようにお思いになるでしょうか。

 私は今一度、安藤さんの「食足りて世は平らか」という言葉を、私たち自身に与えられた言葉として考えるべきだと思います。世界的にはさらに多くの人々が飢えに苦しんでいるのです。安藤さんの言葉から一人ひとりが食べ物の大事さ有難さ、共助共生の大切さを再認識しなければならないと思います。



      食品は平和産業です。                                     
             ~安藤 百福~




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