生きるために №469


生きるために
平成30年2月3日


 人はパンのみにて生くるにあらず、という聖書の言葉がありますね。有名なこの言葉、新約聖書のマタイによる福音書第四章に出てくるのですが、この言葉の後にどんな言葉があるかご存知でしょうか。高校生の頃、私は「飯も食う」と続けた愚かにも恥ずかしい記憶がありますが、皆さまは続く言葉をご存知でしょうか。

 この言葉は「石がパンになるように命じてごらんなさい」という悪魔の試みに対してイエスが答えられたのですが、その言葉は「人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの(ことば)で生きるものである」となっています。人が生きるのはパンによるだけではない、神の教えがあってこそという意味でありましょう。

 この言葉は私たち仏教徒にも通じることです。私たちが生きていく上でも教えが、私たちで言えばお釈迦さまの教えが必要であることは同じです。では、その私たちが生きる上でパンと同じように大切なお釈迦さまの教えとは何でしょうか。私たちが生きていく上で知るべき真実の教えとは何でありましょうか。

 お釈迦さまの教えは沢山ありますが、その沢山のうち別けて大切な教えを上げるとすれば「諸行無常、諸法無我、涅槃寂静」の三法印だと思います。諸行無常とは一切の現象は変化して止まないということ、諸法無我とはいかなる存在も不変の本質を有しないということ、涅槃寂静とは悟りの境地は静かな安らぎであるということ、ですね。

 私はこの三法印は真理の教えだと思います。宇宙の真理だと思います。この宇宙の真理に気づかれたのがお釈迦さまであり、それに気づくことが悟りなのだと思います。この世のありとあらゆるもの、私たち人間も、つまりは私もあなたも、そして周囲に存在する有情無情のすべてが一瞬たりとも常住不変ではあり得ないのです。

 毎年毎年、この星祭に私が皆さまにお願いしていることは、この星祭そして星祭のお札を人生再確認の時にして頂きたいということです。長いようで短いというのが人生だと思います。この星祭を一年一年大切に生きるための糧とし自らの天命の成就に邁進して頂きたいと願って止みません。合掌。


 皆さま今年も星祭有難うございます。
 余寒どうぞお大切にお過ごしくださいますよう。
       ~住職ネコちゃん~


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