角栄さんの格言 №483


角栄さんの格言
平成30年4月18日

 雑誌「通販生活」の今年春号表紙に田中角栄さんの言葉が紹介されていました。それによれば、角栄さんは「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢になった時はとても危ない」と新人議員に薫陶を授けていたというのです。


 この言葉は丹羽宇一郎(日本中国友好協会会長・元中国大使)さんが昨年出された「戦争の大問題・それでも戦争を選ぶのか」という本に紹介されていますが、丹羽さんはこの角栄さんの言葉の紹介をして「いまの日本はまさに田中角栄の予見したとおりなのではないか」と言っておられます。私もその通りという思いを禁じ得ません。

 「通販生活」には丹羽さんと落合恵子さんの対談が載せられています。その中で丹羽さんは「戦争の大問題」を書かれたきっかけについて「戦争を知らない人たちに戦争(戦場)とは何かを知ってもらいたかった。いま戦争体験者の話を聞いて後世に伝えないと、戦争の真実を知ることは難しくなってしまいます」と言われています。

 政治家はむろん私たちも戦争の真実を知らなくてはいけないのに世界はどんどん戦争に近づいているのが現実ですが、落合さんはその現実に対して「戦争を正当化する政治家も多く、戦争に反対することが気弱で歴史に無知で間違っていると決めつけるような風潮もあります」と言い、丹羽さんは「人間の心と精神は退化しているのではないか」と言われるのです。

国のあり方を決めるのは政治です。平和な国するか戦争の国にするかは政治家にかかっています。であればあるほど、政治家は戦争の真実、戦争の悲惨を知らなければなりません。学ばなくてはなりません。しかし情けないことに今の日本の政治家は党利党略しか頭にありません。職業としての政治屋でしかないと言うべきでしょう。

 日本がこれから進むべき道について丹羽さんは「軍事力より外交力、それを実現する国際政治」と言い、落合さんは「戦争を放棄して、非戦で」と言われています。全くお二人のおっしゃる通りだと思います。武力による威嚇では平和はつくれません。私たちは戦争の真実を知り、非戦の世界平和をつくらなければなりません。


 
   国権の発動たる戦争と、
   武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を
   解決する手段としては、永久にこれを放棄する
                   (憲法九条)

0 件のコメント:

コメントを投稿