「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」 №504 

 「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」 
平成30年9月15日

 お寺に行った時、玄関口に「白大衆」と書かれた分厚い樫の板が下げられているのをご覧になったことはありませんか。その板を木板(もっぱん)と言います。板には木槌が付いていて、その木槌で板を三度叩いて寺に来たことを知らせるのです。カーンと甲高く響くその音には自ずから人を緊張させるものがありますね。
 ところで、今日のお話はその木板に書かれている言葉のことです。初めに書きましたように板にはまず「白大衆」とありますが、その意味は、大衆(皆さん)に白す(申し上げる)です。で、そのあとに「生死事大 無常迅速 各宜醒覚 慎勿放逸」という偈文が書かれています。この偈文を私流に訳してみたいと思います。
生死事大(しょうじじだい)            生きるは大変
無常迅速(むじょうじんそく)           時間は早い
各宜醒覚(おのおの宜しくせいがくすべし)     油断禁物
慎勿放逸(つつしんでほういつするなかれ)     励めよ励め
 生死というのは生きること、人生です。この人生を過ごしている私たちにとって時の流れはあっという間です。皆さんも「この間お正月を迎えたのにもう九月?」とお思いのことでしょう。光陰矢の如しです。しっかり目を覚ましてなすべきことをしなければ、あのチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねえよ」と言われてしまいますね。
 私たちは一人ひとりが自分のなすべきこと、願いを持っています。自分の人生を生きるとはそのなすべきことに努力し、願いの達成に努めることです。でも、うっかりするとなすべきことも願いも分からずじまいになってしまいます。だからこそ偈文は「目を覚ませ、怠けるな」と言うのです。ボーっと生きないためには文字通り“覚悟”が必要なのです。
 先日お詣り下さった方が「子育てが終わったのでもう一度本格的にピアノをしたい」とおっしゃるのを伺って是非是非とお願いしました。再びのピアノがどこまで行くかが問題ではありません。残された時間にやれるところまでやっておくことに意義があるのです。そのことがよりよい来世に繋がるのです。皆さん、頑張りませう。

 


  歳じゃない!
   「思い立ったが吉日」だよ

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